review
いいかげん、書いても書いても現在に追いつかないこの日記にくたびれてきたのだが、子供鉅人『HELLO HELL!!!』については書かなくてはいけない。二日酔いや寝不足を心配していたが、それは杞憂で、最後まで面白く観た。もっとも、同じくエンターテインメント…
おそらくF/T期間中で最もハードな1日だった。 まず賛否両論の物議を醸しているフォースド・エンタテインメント『嵐がやってくる!』。様々な物語が途中で中断され、横滑りしていく中で、「死や老いにまつわる話」が出た途端、女が激昂する……。こういった感情…
森下スタジオで毛皮族(マル秘)公演『血も涙も靴もない』。借金によって生じていく不思議な関係たち。奇妙な世間話のような語り口はとても魅力的で、ちょっとやみつきになりそう。ただ、どこかに焦点がぐっと絞られていくか、もしくはとてつもなく抽象的な…
朝方、男5人で3つの布団に川の字になっていびきをぐうぐうかいている様はなんだか可笑しかった。よく眠れた。野口くんと一緒に目覚めて階下に降りると、基さんお手製の朝ご飯がすでに用意されている……。感動しながら食べる。そのあとひとりで散歩に出て、哲…
新幹線で京都へ。思いのほか寒かったので京都タワーでひとっ風呂浴びてから、バスに乗って、初めて地点の新拠点アンダースローへ。ブレヒトの戯曲を演出した『ファッツァー』を観る。す、素晴らしい……。自分の観劇史上かなりメモリアルなものに。 当日パンフ…
F/T公募プログラムが始まった。ゴーヤル・スジャータ『ダンシング・ガール』。観劇後に彼女のインタビューを読んで、狙いはそれなりに分かった。インドの伝統舞踊の中に組み込まれているエキゾチシズムを脱構築したい、ということが最大のモチベーションなの…
朝、カフェで女性と珈琲を飲んでいたら通りがかった友人に「エロい」とひとこと言われ、なるほどその発想はなかったわ、と思った。朝は爽やかだ、っていう先入観に囚われていたから。そのあと、とある場所で女の子を泣かせてしまい、泣いている状態はとても…
木ノ下歌舞伎『東海道四谷怪談—通し上演—』。6時間、思っていたよりもあっという間だった。とりわけ3幕が素晴らしい……。鶴屋南北の群像劇の手腕がよく現れているなと感じた。 俳優たちの演技のバックボーンは様々で、それをいっぺんにこの舞台に載せたという…
アーツ千代田3331で東葛スポーツ『ツール・ド・フランス』。やあー、もう好きすぎる。偏愛といっていい。サンプリングされるものの大部分がわたしの好きなものだ、というのはある。パルプ・フィクションと麻雀放浪記とクラフトワークってだけでもかなりのも…
小学校WS3日目、最終日。この日は手塚夏子さんのメソッドを援用して、言葉と風景とを結びつける試み。最初、わりと自由にやってもらおうと思ったら、やっぱり子供たちはフリーズしてしまい、まだそう簡単に補助輪ははずせないのだなと。まあプランを微修正し…
この日はまた池袋へ。ラビア・ムルエの『雲に乗って』。銃弾を受けて脳に障害を負い、幼稚園からやり直した、という実弟イエッサ・ムルエを主演に迎えた、虚実入り混じったパフォーマンス。弟への愛を感じた、のが良かった。これは一種の「歌」と呼んでいい…
このあたりから多忙を極めてきて、日記を書くことが難しくなった。どうしたものかと思う。もう20日分近く溜まっている……。今さら時系列的に書くことにもほとんど意味はないだろう。 この日は朝、象の鼻テラスの周辺で濱野ゆき子嬢と稽古。生まれて初めての他…
中野成樹+長島確『四谷雑談集』。『四家の怪談』とは異なり、こちらは「四谷怪談」のベースとなっている「雑談集」にまつわる土地を、大人数で解説付きでめぐっていくツアー。大谷能生作曲の「あおぞらDestiny」を流す車が回遊したり、何人かの俳優がコスプ…
KAATに唐ゼミ『唐版・滝の白糸』を観に行く。ご開帳〜、みたいなシーンとか大いに楽しんだし、KAATの技術力には毎度唸らされるし、唐ゼミの中野敦之の演出意図も(アフタートークを聴いたこともあり)伝わってきた。ただ、それは「唐十郎のこの戯曲をどう解…
中野成樹+長島確による『四家の怪談』のため、北千住へ。「四谷怪談」のお岩さんの呪いを解くような作品だった。希望しかねーし。 町は、2ヶ月や3ヶ月稽古したくらいではとても太刀打ちできないものを持っている、という長島確さんの言葉は印象的だ。歩いて…
F/T13のオープニング・イベントで、岩城京子さん、鴻英良さん、鈴木理映子さんとF/T主催プログラムの各演目を紹介するトーク。たくさんの方が聞きに来てくださった。それぞれの問題意識をぶつけつつ、3時間近くがあっという間に過ぎた。チョコレートが役に立…
新国立劇場でソン・ギウン作・演出による第12言語演劇スタジオ『多情という名の病』。東京デスロックとの共同制作となった『가모메 カルメギ』のように、1930年代の日帝時代を描くスタイルがソン・ギウンの持ち味なのだとすると、これはかなりの異色作という…
鳥公園『カンロ』は、簡単に通り過ぎてしまうわけにはいかないと感じる舞台だったので、なんとか都合をつけてもう一度観に行くことにした。2回目、別の席から観て、奇妙な面白さを感じたので、台本も買って帰った。 西尾佳織のテクストには、ふつうの現代口…
六本木の新世界でひさしぶりのproduce lab 89「官能教育」。今回は糸井幸之介×井上みなみの『安寿と厨子王』。森鷗外の『山椒大夫』では削られている、物語の残酷な部分にフォーカスを当てている。作り手の眠れる長所を引きだそうとする、プロデューサー徳永…
フェスティバル・ボム(Festival Bo:m)×十六夜吉田町スタジオ×急な坂スタジオ『つれなくも秋の風』。演出はソ・ヒョンソク。急な坂スタジオのスタッフをはじめ、ドラマトゥルクとしてコ・ジュヨン、演出助手として植松侑子らがサポートしている。素晴らしい…
広蔵市場に寄ったあと、テハンノまでてくてくと歩いた。そこで待ち合わせて、バスに乗ってドジョウ鍋を食べにいく。ドゥヨンが『再/生』のハードな日程を乗り切るために通っていた店らしい。確かにこれは精力がつきそう。満腹になり、腹ごなしに歩いて町ま…
太田(テジョン)には地元民向けの大きな市場があり、色とりどりの果物などが並んでいる。生薬の匂いなどもする。愛想の良いおばちゃんのお店で、おでん、天ぷら、トッポギなどを食べた。 KTXに乗って、いよいよソウルに到着。駅前の都会的な空気に最初は面…
日記には書き切れない多くの出会いを経験している。この日は神社の境内で様々なパフォーマンスが繰り広げられた。生まれたばかりの鐡神様もよろこんでくださったことだろう。さらに夜には、神社の中で神楽に立ち会う。枝光の人たちにとっての大切な場所に混…
ファンファンでスパゲティを食べてから枝光写真館へ。仕事をするつもりが、『進撃の巨神』の動画を観せて、と小学生軍団にせがまれ、パソコンをオキュパイされる。やれやれ。カラオケ大会には16時から大谷能生とのこされ劇場≡が登場。萌ちゃんはいつも通りの…
午前中はホテルで仕事をして、カフェ・ド・ファンファンでオムライス。そして枝光へ。モナカ屋マダム・みずまさんと再会。枝光八幡宮にたたずんでいた大谷能生と合流したのち、道端で出会った小学生軍団に「メガネをはずしたほうがいろんな意味でマシ」とな…
朝の食堂はなんだか可笑しい。 ままごとのおさんぽ演劇『赤い灯台、赤い初恋』を観る。素晴らしかった。これについてはマンスリー・ブリコメンドにも書いたし、象の鼻テラスが発行している「象の鼻ジャーナル」の次号にも関連記事が掲載される予定。 フィク…
白神ももこX酒井幸菜『Stick & uS!!』@KAAT。互いに一方を振り付けるという設定。白神ももこ振付バージョンは、おそらくは酒井幸菜の隠れた魅力を引きずり出していたのではないか。リボンの騎士めいた衣装を着て、「つよいんだぞーーー!」と絶叫する彼女の…
禁酒4日目。禁ツイ2日目。 渋さ知らズオーケストラ『天幕渋さ船〜龍轍MANDARA』。1Fなかほどの指定席で観る。立ったり座ったり歌ったり踊ったりと自由にできたこともあり、終始リラックスして楽しく四時間を過ごした。桟敷席はもっと楽しそうだったけど見る…
10月になった。誰か台湾人と「寛容」について語り合った気がするのだが、そんな記憶はないので、夢のどこか奥深くのほうで、そうした会合が秘密裏に行われたのかもしれない。この日はとある才媛から、2ヶ月間、ほとんど誰とも接触せずに引きこもっていたと…
渋さ知らズ練り歩き2days。昨日は氷川丸での船上ライブ。ビールを引っ掛けていかなかったのを後悔する盛り上がり。今回の一連のKAATの企画に参加している演奏者やダンサーたちそれぞれに見所がもたらされ、もはや上手い下手を超えたライブの楽しさ。とはいえ…