BricolaQ Blog (diary)

BricolaQ(http://bricolaq.com/)の日記 by 藤原ちから

2013-01-01から1年間の記事一覧

20131201 フォースド・エンタテインメント、リミニ・プロトコル、宮沢章夫

おそらくF/T期間中で最もハードな1日だった。 まず賛否両論の物議を醸しているフォースド・エンタテインメント『嵐がやってくる!』。様々な物語が途中で中断され、横滑りしていく中で、「死や老いにまつわる話」が出た途端、女が激昂する……。こういった感情…

20131130 毛皮族、シャインハウス・シアター、ソ・ヨンラン

森下スタジオで毛皮族(マル秘)公演『血も涙も靴もない』。借金によって生じていく不思議な関係たち。奇妙な世間話のような語り口はとても魅力的で、ちょっとやみつきになりそう。ただ、どこかに焦点がぐっと絞られていくか、もしくはとてつもなく抽象的な…

20131129 Q『いのちのちQⅡ』

朝方、男5人で3つの布団に川の字になっていびきをぐうぐうかいている様はなんだか可笑しかった。よく眠れた。野口くんと一緒に目覚めて階下に降りると、基さんお手製の朝ご飯がすでに用意されている……。感動しながら食べる。そのあとひとりで散歩に出て、哲…

20131128 地点『ファッツァー』

新幹線で京都へ。思いのほか寒かったので京都タワーでひとっ風呂浴びてから、バスに乗って、初めて地点の新拠点アンダースローへ。ブレヒトの戯曲を演出した『ファッツァー』を観る。す、素晴らしい……。自分の観劇史上かなりメモリアルなものに。 当日パンフ…

20131127 ヒアリング

ひたすら仕事。夜、市原くんに呼ばれて京味居に行き、彼にヒアリングに来ていた学生さんと、紹興酒を飲みながらしばらく話す。なかなか熱い志を持っているふうの人であった。またどこかで会えるといいですね。 彼女を先に帰して、市原くんに長者町のビルを案…

20131126 ゴーヤル・スジャータ、柴田聡子

F/T公募プログラムが始まった。ゴーヤル・スジャータ『ダンシング・ガール』。観劇後に彼女のインタビューを読んで、狙いはそれなりに分かった。インドの伝統舞踊の中に組み込まれているエキゾチシズムを脱構築したい、ということが最大のモチベーションなの…

20131125 インタビューの日

商業媒体でインタビュー仕事はしばらく(半年くらい?)しない、と宣言をしていて、まあエラそうだなって思うけど、まだその気分が解除されたわけでもなく、とはいえ、ありがたいことに依頼を頂戴し、しかもそんなつまらないこだわりよりも今この人の話を聴…

20131124 小沢剛、わっしょいハウス

朝、カフェで女性と珈琲を飲んでいたら通りがかった友人に「エロい」とひとこと言われ、なるほどその発想はなかったわ、と思った。朝は爽やかだ、っていう先入観に囚われていたから。そのあと、とある場所で女の子を泣かせてしまい、泣いている状態はとても…

20131123 木ノ下歌舞伎『東海道四谷怪談』

木ノ下歌舞伎『東海道四谷怪談—通し上演—』。6時間、思っていたよりもあっという間だった。とりわけ3幕が素晴らしい……。鶴屋南北の群像劇の手腕がよく現れているなと感じた。 俳優たちの演技のバックボーンは様々で、それをいっぺんにこの舞台に載せたという…

20131122 東葛スポーツ『ツール・ド・フランス』

アーツ千代田3331で東葛スポーツ『ツール・ド・フランス』。やあー、もう好きすぎる。偏愛といっていい。サンプリングされるものの大部分がわたしの好きなものだ、というのはある。パルプ・フィクションと麻雀放浪記とクラフトワークってだけでもかなりのも…

20131121 小学校WS3日目、モモノパノラマ

小学校WS3日目、最終日。この日は手塚夏子さんのメソッドを援用して、言葉と風景とを結びつける試み。最初、わりと自由にやってもらおうと思ったら、やっぱり子供たちはフリーズしてしまい、まだそう簡単に補助輪ははずせないのだなと。まあプランを微修正し…

20131120 小学校WS2日目

小学校WS2日目。この日のテーマは「言葉は魔法である!」。とある口実をつくって教室から外にいったん全員を出させ、帰ってきたらわたしが変装しているというへんてこな仕掛け。そしてそのまま有無を言わさずボレロを大音量でかけながら舞台写真を次々と見せ…

20131119 だからここに来た

急な坂スタジオに行ってアンケートをスキャンしてもらう。そのあと先週に引き続いて念のため病院へ。先週と同じくマスクをした助手の人が、同じ目つきで、少し離れたところから、わたしの喉の奥をじーっと眺めていた。暗い雰囲気を漂わせてはいるけれど嫌い…

20131118 小学校WS初日

早起きして横浜の某小学校へ。「言葉」をテーマにしたWS初日。言葉を、日常とは異なるものとして使ってみようという試み。少し早めに集合して、アシスタントのゆっこ&まお嬢と自己紹介代わりのプチ演劇の通し稽古を路上にて。演劇といってもいわゆるいかに…

20131117 ムルエ、サンプル

この日はまた池袋へ。ラビア・ムルエの『雲に乗って』。銃弾を受けて脳に障害を負い、幼稚園からやり直した、という実弟イエッサ・ムルエを主演に迎えた、虚実入り混じったパフォーマンス。弟への愛を感じた、のが良かった。これは一種の「歌」と呼んでいい…

20131116 船に乗る

このあたりから多忙を極めてきて、日記を書くことが難しくなった。どうしたものかと思う。もう20日分近く溜まっている……。今さら時系列的に書くことにもほとんど意味はないだろう。 この日は朝、象の鼻テラスの周辺で濱野ゆき子嬢と稽古。生まれて初めての他…

20131115 共感覚

カプカプに顔を出す。それから象の鼻テラスに向かって、ままごとの公開稽古を見学し、さらに酉の市へ、という流れ。よしおさんが、いつもの角打ちで字体について語っていたことがとても印象的だった。後日、ヤスと話していて気づいたんだけれども、それって…

20131114 『四谷雑談集』、ラビア・ムルエ

中野成樹+長島確『四谷雑談集』。『四家の怪談』とは異なり、こちらは「四谷怪談」のベースとなっている「雑談集」にまつわる土地を、大人数で解説付きでめぐっていくツアー。大谷能生作曲の「あおぞらDestiny」を流す車が回遊したり、何人かの俳優がコスプ…

20131113 唐ゼミ『唐版・滝の白糸』

KAATに唐ゼミ『唐版・滝の白糸』を観に行く。ご開帳〜、みたいなシーンとか大いに楽しんだし、KAATの技術力には毎度唸らされるし、唐ゼミの中野敦之の演出意図も(アフタートークを聴いたこともあり)伝わってきた。ただ、それは「唐十郎のこの戯曲をどう解…

20131112 コタツにミカン

デスクワークの日。今月は他に予定を入れない日が滅多にとれない。実家からミカンが届いたので、コタツを出した。スーパーで買い物をしていて、疲れていたせいで手が滑り、ポン酢を落としてしまって瓶が割れて床にポン酢がひろがって大変なことになった。

20131111 横浜の日

そういえば今日からままごとの『象はすべてを忘れない』の公開稽古が始まるやん、と思って象の鼻テラスに向かってみる。途中、通り雨が降ってきたのでミスドに逃げ込んで雨が止むのを待った。象の鼻に到着した頃、ちょうど柴くんが、今回の参加俳優たちに求…

20131110 『四家の怪談』、TRANS ARTS TOKYO

中野成樹+長島確による『四家の怪談』のため、北千住へ。「四谷怪談」のお岩さんの呪いを解くような作品だった。希望しかねーし。 町は、2ヶ月や3ヶ月稽古したくらいではとても太刀打ちできないものを持っている、という長島確さんの言葉は印象的だ。歩いて…

20131109 F/T13開幕

F/T13のオープニング・イベントで、岩城京子さん、鴻英良さん、鈴木理映子さんとF/T主催プログラムの各演目を紹介するトーク。たくさんの方が聞きに来てくださった。それぞれの問題意識をぶつけつつ、3時間近くがあっという間に過ぎた。チョコレートが役に立…

20131108 カプカプ旅行2日目

SL列車に乗り、富士山を見ながら帰った。おそらくはこの風景が今後、カプカプの人々にとって語り継がれる「共通の思い出」となるのだろう。しかし同じものを見ていても、感じるものはそれぞれに違う。そうした「それぞれの差異」を受け入れていくような寛容…

20131107 カプカプ旅行1日目

地域作業所カプカプの旅行についていった。この日は、霧の町を抜けて、鳥のたくさんいる場所に行き、温泉に入った。宴会でのカラオケは恒例行事だが、大いに盛り上がる。なにしろ今回は、19人のメンバー全てが参加しているのだ。カプカプ旅行史上、初めてっ…

20131106 展望台

カレーを食べながら、今度やるワークショップの打ち合わせ。終わって、アシスタントの2人と、野毛山の展望台に登ってみた。ソ・ヒョンソク『つれなくも秋の風』の舞台にもなっていた、あそこ。 のち、横浜駅に出て、明日からの旅に備えて、少し買い物。

20131105 第12言語演劇スタジオ『多情という名の病』

新国立劇場でソン・ギウン作・演出による第12言語演劇スタジオ『多情という名の病』。東京デスロックとの共同制作となった『가모메 カルメギ』のように、1930年代の日帝時代を描くスタイルがソン・ギウンの持ち味なのだとすると、これはかなりの異色作という…

20131104 磔

しばらくぶりに外出の予定がない日。夕方からいつもの喫茶店に行って、ひたすら仕事をする。紅茶をサービスしてもらった。店も、町も、静かだった。完璧にも思える世界。こうした調和はしかし、長くはつづかない。例えばこの世界の中に永遠に貼り付けられた…

20131103 「中日新聞5記者への公開質問状」について

起き抜けに、Realtokyoに掲載されていた「中日新聞5記者への公開質問状」を読む。あいちトリエンナーレへの地元新聞からの粗雑な批判に対して、小崎哲哉さんが、あくまで事実誤認に焦点を絞って反論しているのは、空中戦にせずに寝技に持ち込むためにもクレ…

20131102 鳥公園『カンロ』

鳥公園『カンロ』は、簡単に通り過ぎてしまうわけにはいかないと感じる舞台だったので、なんとか都合をつけてもう一度観に行くことにした。2回目、別の席から観て、奇妙な面白さを感じたので、台本も買って帰った。 西尾佳織のテクストには、ふつうの現代口…