BricolaQ Blog (diary)

BricolaQ(http://bricolaq.com/)の日記 by 藤原ちから

初めてのマニラ、カルナバル(2017年版)

 
今年もフィリピン・マニラのケソン・シティ(Quezon City)周辺で、カルナバル(KARNABAL)フェスティバルが開催されます。今年の開催は5月10日〜21日までで、10月にもあるようです。
 
現時点で公表されているプログラムはこちら。
 
 
「演劇最強論-ing」に書いた紹介記事。
 
 
日本から来る人もいそうなので、去年つくったガイダンスをアップデートしたものを以下に記しておきます。
 
 
 
*****事前情報*****
 
【カルナバル・フェスティバルとは?】
「パフォーマンスと社会変革」を標語に掲げるコミュニティアートのフェスティバルです。舞台芸術が中心とはいえ、メディアアートの人もいて、ジャンルはそんなに関係ないかも。作品の上演だけでなく、そのプロセスも大事にされています。このフェスティバルにおける「audience」というのはただ観る人ではなくて、そのプロセスに参加する人々のことを指しています。
 
チケットは「Blank Ticket」制で、上演後に好きな対価を書き込んで支払います。お金じゃなくて別の何かでもOKです。
 
フェスティバルを企画運営するのはSipat Lawin Ensemble(シパット・ラウィン・アンサンブル)。より深く知りたい人は、フェスティバルディレクターのJKアニコチェ、サラ・サラザール、アイサ・ホクソンのインタビューをどうぞ。
 
 
【地理】
カルナバルの中心拠点は、メトロ・マニラにあるケソンシティのTeacher’s Village。ただし今年はスモーキー・マウンテンやスラム街など、様々な場所で上演される予定です。
 
 
【ビザ】
フィリピンは30日までは不要です。パスポートと航空券だけ持ってれば、来れます。
 
 
【空港から】
マニラの空港はぼったくりの巣窟。流しのタクシーは使わないほうがいいでしょう……。日本にいるあいだにuberをダウンロードしておいて、それを使ってドライバーを呼ぶのが懸命です。片道450ペソ(1000円)くらい。深夜や早朝なら車で40分程度の距離ですが、それ以外はフィリピン名物のtraffic(渋滞)があるので1時間半〜2時間半くらいは覚悟しましょう。
 
また、2017年5月6日(土)に、マニラのキアポ(Quiapo)地区で2度にわたる爆発が起き、死傷者も出ています。シーア派のモスクを狙ったテロ事件とも言われていますが、まだ詳細は明らかになっていません。人の多い時間帯であれば、できればキアポ方面を避けて、エドゥサ通りを使ってもらうように運転手に交渉するのが吉かと。
 
 
【両替】
2017年5月現在、10000円=約4,400ペソ。
1000ペソ=2200円くらいで脳内換算するといいと思います。
 
両替はマニラ空港(ターミナル出口、外に出てすぐ左手)の換金率が悪くないです。またフェスティバル会場周辺では、Kalayaan AvenueとMatalino Streetの交差点にあるスーパーマーケット「PURE GOLD」に両替所があります。
 
 
【ホテル】
ケソン・シティのTeacher’s Village周辺にはいくつかホテルが点在しています。安くあげたいならMaginhawa streetにあるゲストハウスYuj Inn。フェスティバルの公式ハブであるFlying Houseで遅くまで呑みたい人は、Matino streetのホテルMaya Residence Innや、Kalayaan AvenueのVerjandel Hotelもいいかと。
 
 
【治安】
空港周辺、マニラシティ、観光客の多いマカティあたりは危険だと思っておいたほうがいいです。昨年、フェスとは別の時期ですが、ある友人の日本人がマカティで睡眠強盗に遭いました(おばちゃんたちにビールを奢られた中に睡眠薬が入っていた)。
 
ケソンシティはそれに比べるとかなり良好ですが、夜道の独り歩きはなるべく避けましょう。ゴルゴ13的な「俺の後ろに立つな」の精神は大事です。背後には気をつけて。歩きスマホはもってのほかです。
 
タクシーも密室なので安全とは言えないです。細かい移動にはトライシクルのほうが安全。
 
パスポートや大金はホテルに置いておくこと。
 
ちなみにスラム街でもコミュニティが生きているような場所であればそこまで危険は感じません。
 
 
 
【持ってくると便利なもの】
暑いです。基本的には半袖・短パン的な格好で。
 
★折りたたみの傘
 必須。どんなに晴れた日でも。
★タオル
 汗拭き用と、排気ガス対策のマスク代わりに。
★うちわ
 エアコンのない場所で重宝します。
★羽織れるもの
 必須。エアコンが効きすぎたカフェやバスで重宝します。
★動きやすい靴
 キレイな道はほぼないです。ハイヒールは自己防衛の上でも論外。
★冷えピタ
 熱い夜を過ごすための貴重アイテム。
正露丸、常備薬
 いざという時のために。
 
 
wi-fi環境】
空港にはあります。
ケソンシティではいくつかのカフェやバーでwi-fiが使えますが、初めてマニラに来る場合は、日本の空港であらかじめレンタルしてくるのがいいかと。
 
 
 
 
*****ケソンシティで一息ついてから*****
 
【情報のやりとり】
Facebookメッセンジャーが普及しています。
プログラムなどの情報もこちらでキャッチアップを。https://www.facebook.com/karnabalfestival/
 
 
【買い物、食事】
コンビニもありますが、サリサリストアというフィリピン独自の個人商店も楽しいです。
 
フェスのメイン会場周辺は閑静な住宅街ですが、目抜き通りのMaginhawa通りにはカフェやレストランが並んでいます。お酒を呑みたい場合はMalingap通りへ。
 
wi-fiの使えるオススメカフェは、MalingapのHillcrest Wellness Cafe、MaginhawaのBo’s Cafe。
 
 
【貨幣】
100ペソ札と20ペソ札をキープしましょう。
 
・1000ペソ札=使用を拒否されがち。隙あらば早めに崩そう。
・500ペソ札=まあまあ使い勝手はよい。
・200ペソ札=滅多に見ない。
・100ペソ札=主役。ほぼどんな時にも対応できるオールマイティ。
・50ペソ札=出番はあまりない。
・20ペソ札=かなり使える。ジプニーでもトライシクルでもどんとこい!
・10ペソコイン=たまに見る程度。
・5ペソコイン=何かと重宝します。
・1ペソコイン=ほっとくと貯まっていくので隙あらば使う。
・セント=出番なし。
 
 
【時間感覚】
1時間押しとか普通です。気長に待ちましょう。
日本のように、1日のうちに細切れでいくつも約束を入れるというのはほぼ不可能です。
 
 
【言語】
町なかでもほぼ英語が通じます(トライシクルの運転手はやや独特)。ただ、彼らにとって英語はあくまでも後天的な言語であり、感情を込める時はタガログ語になります。両言語をちゃんぽんした「タグリッシュ」にもよくなります。フェスティバルの演目によってはタガログ語での上演もあるので、近くの誰かに頼んで通訳してもらいましょう。
 
 
【コミュニケーション】
マニラではシステムはあってないようなもの。とにかくコミュニケーションによっていろんなことが決まっていきます。わからないことがあったらすぐ誰かに訊く、というのが鉄則。より確実な情報を得たい場合は複数人に訊いて判断するほうがいいかと。
 
 
【交通機関】
マニラの渋滞は想像を絶しています。先を急ぐとか、予定通りに事が運ぶとかいった感覚は捨て去りましょう。
 
 
★トライシクル
マニラに馴染むには最適の乗り物! 暑いマニラではちょっと歩くだけでも体力を削られます。ホテルと会場の行き来などで重宝します。
 
価格は12〜25ペソくらい。小回りが利くのが強みです。トライシクルの溜まり場で拾ってもいいし、流しのを拾ってもOK。ただし拠点としているバランガイ(地区)ごとにトライシクルの「シマ」があり、別のシマには行ってくれないこともあります。行く場合はお高くなります。
 
運転手はフレンドリーな人が多いです。たまに恋人や家族や兄弟で運行していることも。
 
 
★ジプニー
庶民の足。最初の難易度は高いですが、いったん掴んでしまえばこれほど楽しい乗り物はないのでぜひトライを。難点は視界が悪いことですが、グーグルマップであらかじめ周辺地図を読み込んでおくとオフラインでもGPSで自分の位置を拾ってくれます。
 
行き先は前方車窓に表記されていますが、判別するにはかなりの慣れが必要です。ただ乗りたいという意思表示をすればスピードを落としてくれるので、そこで運転手もしくは助手席にいる人に行き先を告げ、OKだったら乗りましょう。
 
初乗りわずか7〜8ペソ。「バヤド」と言って支払います。運転席から遠い場合は他のお客に手渡しすると、回してくれます。
 
降りるときは「パラポ!」と言うか、天井を叩いたり紐を引っ張ったりします。
 
 
★タクシー
ほとんどぼったくってくるのでお勧めしません。やむをえない場合、メーターを使うように指示しましょう。なんのかんの言ってメーター使わない場合は少々怒ってでも使わせること。強気に出るのは大事です。ただし長距離の場合はまず絶対にメーターを使ってくれないので、その場合は事前にしっかり金額を交渉しましょう。英語が聞き取れない場合は何度も聞き直すこと。
 
中長距離の場合はアプリの「grab taxi」や「uber」を使うのが安心。150〜300ペソくらい。
 
 
*そのほかLRT高架鉄道)、FX(乗り合いバン)、バスなどもありますがそんなに出番はなさそうです。武田力のタコヤキで遠方に行く時にもしかしたら……。
 
 
【チップ】
釣り銭に小銭が出た時に端数を気持ちとして渡す程度でOK。バーやレストランではチャージ料として10%すでに計上されていることが多いです。
 
 
【水・氷・ビール】
基本的にミネラルウォーターを飲みます。食堂でサーブされている水もだいたい大丈夫です。ビールに氷を入れて呑むのも大きな問題はないかと。ただお腹の弱い人は注意しましょう。
 
ビールはサンミゲル・ピルスンと、ちょっと度数の高いレッド・ホース。どっちが好みかで、ひとしきり話に花が咲きます。
 
 
では、カルナバルで会いましょう!
 
 
 

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