20140412 大岡川を源流まで歩くPART1
「演劇センターF開館記念花見 大岡川を海から源まで演出家市原幹也と劇作家岸井大輔と歩く」。今日はひとまず歩いて今後に向けてのリサーチ……と考えていたけれど、予想以上に刺激的な展開となり、これ自体を演劇作品と呼んでも差し支えない、と言えるだけの強度を最終的には獲得した。
わたしは、午前中はFで仕事をして(ここで一度、参加者たちに会っている)、昼過ぎに電車に乗って弘明寺へ。遅れを挽回するために何かひとつパフォーマンスしてやろう、と思って、川の中にある飛び石(偶然見つけた)の上で、缶ビールを片手に待ち伏せすることに。作為的すぎるかな、とも思ったけれども、意外にウケたというか、道中のいいアクセントにはなったみたい……。
その先の道で新しい参加者がひとりスッと加わり、総勢17名で川を歩いた。いちおうの基本ルールとしては、橋を見つけたら渡る、ということで、つまりはジグザグに川沿いを進んでいくことになる(地形上、やむをえない例外も)。
氷取沢神社で、第一部が終了。ここで数名がバスで帰り、残るメンバーで水源を目指した。急速にあたりは暗くなっており、隣の人の顔も見えないくらい。人数を数えたら11人で、萩尾望都の『11人いる!』を思い出してちょっとテンションあがった。……というか疲労と夜と期待と不安のために、メンバーには謎の高揚感が訪れたのだった。深野一穂さんが探検用のヘッドライトを2つ持っていて、そのおかげでなんとか視界が確保できるという状況。自然公園の入口では、無人の監視装置が作動しており、ゴミを捨てるべからず的な警告を自動音声で流していて、これがまた不気味であり、探検心を煽った。市原幹也が「妙〜な感じがする」と稲川淳二のモノマネなど始め、ワイワイ喋りながら進んでいくと、大岡川は、軽く跨げるくらいの細さとなった。
いよいよ水源が近い、と深野さんが言う。深野さんはこのあたりに詳しくてほぼ迷わずにスイスイと進んでいく。そうじゃなかったら遭難しかねない山の中だ。けれど、水源を目視することは不可能だった。水の音で判断するしかない。それが聞こえるか、聞こえないか、の場所まで来たところで、ちょっとみんなで3分沈黙してみよう、と提案してみた。iPhoneのストップウォッチで計測する。3分が経って、「ハイ」と合図を送ったけれども、誰も立たなかった。
そのあと、円海山の山頂から、横浜市街を一望した。それがエンディングだった。
以下、印象に残ったことを幾つかメモ。
・大岡川ミカン事件
・沿道のおばあちゃん
・上大岡のRPG感
・中学生の青春感
・打越交差点を過ぎたあたりでの岸井さんの「相談」
・町の灯りが見えた時の安心感
・岸井大輔のこの「演劇」における役割は?(ガイド、ではないとしたら)
肉が食べたくなった。凄まじく心地よい疲労感と共に、日ノ出町のがま親分で打ち上げ。