BricolaQ Blog (diary)

BricolaQ(http://bricolaq.com/)の日記 by 藤原ちから

デュッセルドルフ10日目 2015年10月21日(水)

 
トラムを使い慣れてきたので、6.6ユーロの1日乗車券を買ってみた。これで近隣ならメトロもバスも乗り放題。まず中心街に行き、ちょうど「なにわ」開店のタイミングだったのでラーメン(生ニンニクをトッピング)を食べてから、向かいのTENTENカフェでメールを書いたり。こうして遠くに滞在するのは好きなのだが、日本での仕事に対していろいろ不義理だなあ……と胃が痛くなる。インターネットのない時代の人たちはいったいどうやって仕事をしていたのか。
 
中央駅まで歩いて、本屋で新しい地図を購入。今まで使っていたのが雨に濡れたりしてボロボロになっていたので。コンパクトで使いやすそうなものを選ぶ。それからUバーンライン川の向こう側、オーバーカッセルへと渡ってみる。高級住宅街らしい。日本人学校があり、路上では子どもたちの話す日本語に出会う。恵光ハウスという日本風の寺院に行ってみた。入口を間違えて遠回りしてしまったのだが、これが棚から牡丹餅で、面白い遊歩道を発見する。デュッセルドルフ版『演劇クエスト』にとってたぶん運命的な出会いとなった。こういう道を探していたのだ。
 
恵光ハウスでは多和田葉子と猪飼節子の『うまぐり』が展示されていた。
 
 路上では誰もが名前を持っている
 四分の一になった煙草の名前はマリー

 

江田さんという日本語を話せる方がいたので、いろいろと詳しくお話を伺う。このあたりには日本人向けの幼稚園も多いのだが、恵光ハウスの敷地内にある幼稚園は日本人もドイツ人も混在しているという。なるほどそれで「共生館」という名前がついているのか。日本人ママさんたちが公園でずっとお喋りしている。ここデュッセルにも「公園デビュー」は存在するのだろうか?
 
 
さて、このまま帰ってもよかったのだが、昨日、橋の上で見かけたあの謎の地図に描かれていた「Fressnapf Düsseldorf」はここからほど近い。トラムを拾って2駅ほど。確かにそれは存在した。犬猫用のフードを売っている店だった。とりあえず今のわたしには全然関係なさそうである……。いったい自分はここに何をしに来たのだろうか? 道端に落ちていた紙切れを辿ってのこのこやってくるなんて阿呆じゃないか……。しかし誰かの紙切れ(インストラクション)に翻弄されることが面白くもあった。つまり、すでにわたしの中で『演劇クエスト・デュッセルドルフ編』は始まっているのである。
 
 
そのすぐ近くの道で、若い女性にドイツ語で話しかけられる。どうやら彼女は迷子になっているらしかった。地図を見せて、万事解決。ドイツ人に道を尋ねられるようになったのは良い兆候だと思う。
 
トラムを橋の手前で降りて、ライン川の上を歩いて渡っていった。渡り切るとすぐに芸術アカデミーがある。カフェ「Woyton」でサンドイッチを食べながら少しPC仕事をする。昨日飲み過ぎた上に、今日も歩きまわったせいか、なんだかひどく疲れている。20時閉店だったのを機に、早めに帰宅することにした。帰ったらアストリッドさんがちょうど眠りにつこうとしている。彼女の朝は早い。わたしは部屋に篭ってこれまで撮りためた映像の整理をする。結局、深夜1時を回ってしまった。
 
 
 

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