BricolaQ Blog (diary)

BricolaQ(http://bricolaq.com/)の日記 by 藤原ちから

20140305 ニッポンの河川、ソウル・フラワー・トレイン

 

ニッポンの河川『大きなものを破壊命令』。なるほどこれが噂の装置……。4人の俳優たちがみずからボタンを踏んだりして、それが照明や音響のスイッチになっている。これは画期的な発明と言っていいだろう。それだけでも面白かったのだが、ここで描かれている、地方都市・熊谷の暗い夜での想像力、そしてそれが異世界の鳩との戦争や、古い日本映画の記憶、湘南の海と繋がっていくようなイメージもとても興味深かった。

 

4人の俳優たちもかなり魅力的で、だんだんその世界に引き込まれていく。中林舞がくるっと無駄に舞を披露したりする小ネタも愉快で、いやはや、大いに笑いました。佐藤真弓の変幻自在のトリックスターぶりはいったい何なのかという。

 

 

池袋のカフェバー、マダムシルクに寄ってシメイビールの青を飲んだ。大学時代、たまにゼミの先輩(大学院生)に連れられていっていた店。まあさんざん映画や哲学の話を聴かされて、全然固有名詞とか分からなかったけど、まあそうやって耳学問で学んでいった部分はやはり大きいと思う。てっきりもうお店が無くなったのかと思っていたら、すぐ近くに移転していて、ママは元気だった。今度から池袋に行った時は寄りたい。 

 

 

 

夜は映画『ソウル・フラワー・トレイン』を昨夏につづいて観て、西尾孔志監督とのアフタートーク、からの、朝まで呑む会。わらわらと人が来てくれて、大いに呑みまくった。映画批評家大寺眞輔さんとついにお会いできて、大寺さんは終電で帰ったが、かなり濃密な話をすることができた。批評家とその役割について、かなり共闘できるものを感じた。

 

それにしても映画は素晴らしかった。前に観た時よりも大きな感動を受けて泣いてしまったようだ。原作と比べて観ることもできたし、細部にも気づいた。あの唇……玄関を出る時に娼婦のようだったあの唇は、ストリップ小屋の楽屋では、まるで清楚なバレリーナそのものではないか。