BricolaQ Blog (diary)

BricolaQ(http://bricolaq.com/)の日記 by 藤原ちから

20131125 インタビューの日

 

商業媒体でインタビュー仕事はしばらく(半年くらい?)しない、と宣言をしていて、まあエラそうだなって思うけど、まだその気分が解除されたわけでもなく、とはいえ、ありがたいことに依頼を頂戴し、しかもそんなつまらないこだわりよりも今この人の話を聴いておきたい、と思える人たちだったし、あと依頼してくれた方々への信頼というのもあったので、象の鼻テラスでままごとの柴幸男くんに、そして少し移動してKAATでチェルフィッチュ岡田利規さんに話を伺った。

 

2人の話に同時代的な共通項を感じた。

 

締め切りがタイトなので、ある人に速記をお願いしたのだが、かなりのハイクオリティだった。柴くんの喋りは難しいので100%というわけにはいかないけれど、岡田さんのほうはほぼ一字一句完璧(最近の岡田さんの喋りはかなりハッキリしているというのもある)。本格的に助手をやってもらおうかな……。この日、同席してもらったのは、速記してもらいたいということもあったけど、それ以上にインタビューという現場で何が起きているかを体感してほしい、という気持ちもあった。何がどうドライブするか、あるいは停滞するか、どのように時間が流れるか。彼女自身も批評家なので。

 

優れた演劇の批評を書く人には、インタビューの名手でもある、という人が多い。これはやっぱり舞台が複数の次元と情報を持っていて、それを感受する能力が批評家には求められる、ということでもあるのではないか。エラそうな言い方になっちゃうけども、実際そういう教育的なことを求められる機会が出て来たので言いますが、舞台批評を書きたいと思う人はまずインタビューをやってみるといいと思います。せめてすでにあるインタビュー記事を熟読したらいいと思う。同時代に引きずられたくない、という人も中にはいるだろう。でも基本的にまず他者の声を聴く/読む、ということをちゃんとできない人に舞台批評は務まらないのではないかと感じる。よほどの博識か直感的天才でないかぎり。インタビューを通して、作家の語彙を盗むことができる。そのうえでどうそこに距離をとるか、を考えても遅くはない。それにただ引きずられてしまうのだとしたら単にそれは書き手に力がないということではないかな。

 

終了後は中華街の山東で水餃子。店が改装移転してから待たなくても入れるようになった。前の雰囲気もよかったけども今も悪くないですね。