BricolaQ Blog (diary)

BricolaQ(http://bricolaq.com/)の日記 by 藤原ちから

20130920 常に最高の状態

 

渋谷に出て、ルデコで財団、江本純子の『常に最高の状態』。「アート」をちょっと揶揄するようなスピーディな会話劇で、くだらないネタのオンパレードなんだけど、その笑いが下品じゃないところがすごくいい。あたたかみがあるとゆうか。佐久間麻由が演じる「ひーちゃん」を取り巻くようにして、物事の善悪などの価値観がぱたりぱたりと入れ替わっていくのが見事。饒舌な会話劇だからこそ沈黙のシーンがかえって活きてくる。果たして彼女は良い子なのか、悪い子なのか? 最終的にそこには結論が下されず、まあ飲もう!、みたいな展開に雪崩れ込んでいくのは、この作品が特に「人間の本性」とかを追求しているわけではない、ということだろう。プラトンからカントに至るような本質追求型の西洋哲学というよりは、むしろ現象学的な方向に近い。バタイユ的な(自己と他者が融解するような)エロティックな感覚もある。

 

川上弘美の『神様』に「クリスマス」とゆう短篇が収められていて、好きなんだけど、あの女たちの祝祭感を思わせるものがあった。引用しようと思ったんだけど、また『神様』が手元にない。誰かに貸したままなのだろう……。

 

青木美歌のガラス細工が置かれていた。あと熊の絵を描いてた森すみれって、あの鳥公園の森ちゃんのことかしら?

 

 

 

夜は横浜で悪魔のしるし『悪魔としるし』。これはわたし的には過去の悪魔のしるしの中でベストで、凄く刺さった。後日、もう一度観ることになるので、その時にあらためて書く。