BricolaQ Blog (diary)

BricolaQ(http://bricolaq.com/)の日記 by 藤原ちから

デュッセルドルフ滞在記2-15(ハンブルク番外編1)

 

15日目、木曜日。中央駅の近くにあるバスターミナルは、様々な人種でごった返している。クロアチアとかもここから行けるのか……。バス(キール行き)は、エッセンやブレーメンを通過して、予定より30分遅れくらい(6時間半)でハンブルク中央駅に到着。バスを降りた瞬間、「風が違う……!」と感じたのは気のせいかもしれない。とはいえ、海からは100キロ離れているものの、運河の多い港町であり、心が躍る。

 


さて最初のミッションは、ある夫婦から仰せつかったもので、鍵を探してほしいというもの。数年前に約束された「愛」がそこに書かれているらしい。が、実際それがあるという橋に行ってみると、あまりにも無数の鍵が……。き、聞いてないよ〜。とりあえず長旅の疲労をとらないといけない。港沿いにある売店で、生魚っぽい具の入ったビスマルクなんとかっていう名前のハンバーガーを発見したので、ビールと共に試してみる。う、美味い……! 何かの魚を酢漬けにしたものだった。売店の女たちには「謝謝」と言われて、いや、日本人だよ〜、と返す。こういう(中国人や韓国人と間違われる)やりとりは、外国ではよくある話だけど、デュッセルドルフではまず体験することがないので、むしろ新鮮。

 

で、気力を復活させたところで1時間以上「愛」探しにトライしてみたのだが、結局見つからず、時間切れに……。悔しいし、依頼主の力になりたかった……けど、真に深い愛は目に見えないものなんだな、と思えば、それはそれであきらめもつく。ぜひご夫婦には末永く幸せになっていただきたい、と念じて、その場をそっと立ち去る。

 

 


目的地のアートスペースFRISEは、ハンブルク中央駅から少し西に行った、アルトナと呼ばれるエリアにあった。とても穏やかで、治安も良さそう。到着するなり、いろんな人が気さくに話しかけてくれる。今回の目的はポートジャーニープロジェクトのアニュアルミーティングへの参加。たまたまドイツに滞在しているなら、ということでお声がけいただいたのだった。今回の受け入れ先であるFRISEの提唱する「HYPER CULTURAL PASSENGERS」とリンクする形で開催されるらしい。

 

あれ、日本人かな、と思う女性がいたので思わず「日本人ですか?」と訊いたら彼女はアメリカ人(チャイニーズ・アメリカン)で、逆に隣にいた白人風の人が「ぼくは日本語が喋れますよ」と話しかけてきたのだった。彼はダンカンさんという名前で、語学に長けており、このあと滞在中、とてもお世話になることに。

 

参加者はこの日ですでに30人くらいいたので、ひとことずつの自己紹介のあと、ごく簡単なアイスブレーキング。それからバーベキューをやって、ギャラリーで展示されている作品をみんなで鑑賞して、あとはそのままギャラリーの中で呑むという流れ……。ビールやワインが大盤振る舞いされる。ポートジャーニーの企画主宰者である象の鼻テラス(スパイラル)からは先行隊として橋爪亜衣子さんが来ており、三田村光土里さんや、ロンドンの学校を卒業したYuki Kobayashiくんなど、海外で活動する日本人アーティストも何人か来ている。上海から来ているEvelynの中国語名は、日本語にすると「菊桜」という花づくしの名前で、とりあえず「菊ちゃん」と呼ぶことにした。とにかくいろんな都市から人が来ている……。日本人以外とは英語でコミュニケーションをとるが、その英語も国によって(人によって)全然喋り方が違う。ドイツ語を耳にすることはほとんどなかった。

 


個人的に、ここまで2週間、ENGEKI QUESTのことを考えてきたので、こうして違う空気に触れるのはたぶん良いことだと思う。だいぶ酔いが回った頃合いで、誰かが犬を連れてきた。種の名前はわからないが、とても美しい大型犬だ。こうやって撫でてあげると悦ぶんだよ、と犬をさする男の手つきはなんだかエロティックで、彼女もまた、その愛撫を官能的に愉しんでいるようである。

 

 

 

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