BricolaQ Blog (diary)

BricolaQ(http://bricolaq.com/)の日記 by 藤原ちから

デュッセルドルフ滞在記2-4

 

4日目、日曜日。もちろん早朝に目覚める。イタリアにいる梨乃のアドバイスに従って、パスタにリベンジ。ニンニクとタマネギをちゃんと炒めただけで、だいぶいい感じになった。

 

あきこさんに導かれて、初の自転車。たぶん海外で自転車に乗るのは初めてだと思う。自動車やトラムのいる車道を走るのはけっこう怖い。けれどドイツでは歩道を走ると罰金40ユーロらしい。乗ってみてよかった。なるほど、町の見え方が全然違ってくる。

 

 

オープンアトリエKunstpunkteで、Soya Arakawaさんのパフォーマンスを観る。ドアが開け放たれ、外の雑音が入ってきまくりのホワイトキューブの中で、カンヴァスに絵の具で線が何度も何度も引かれていく。さらに、こねられた粘土の断片がすりつけられ、奇妙な歌声が響く。ふだん批評家としては、過度に自分のイマジネーションに引き寄せるのはNGだと考えているのだが、今のわたしはちょっと違うモードになっている。このカンヴァスはデュッセルドルフの地図であり、そこに引かれる無数の線は、この都市を行き交う人々の姿に見える。

 

会場で、デュッセルの呑みソウルメイト(とわたしが勝手に思っている)マリエ嬢に偶然再会した。醸造シューマッハで地図を見ながらいろいろ話す。彼女は去年よりもさらに自由になったようであった。けれど、異国での暮らしで自由であるということは、傍目に見えるほどにはラクではないだろう。とはいえ人間はそんなに自分の生き方を選べるものでもない。とにかく彼女は次々とコップを空にしていく。アルトビール五臓六腑に染み渡る。

 

 

 

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