BricolaQ Blog (diary)

BricolaQ(http://bricolaq.com/)の日記 by 藤原ちから

中国・近況報告その2

今回の滞在は自由時間がほとんどない。タクシーを使い、言葉もほぼ全部通訳してもらって……とシンシンたちにアテンドされるがままになっている。マニラの友人たちがこんな受動的なわたしを見たら驚くだろう。しかし今回は批評家モードに集中せざるをえない。今は、朝から晩まで人と会って話している。

 
 
北京最後の日となった今日4日目は、まず朝、ポンハオ劇場で徐健さんにヒアリング。体制内の媒体の記者と事前に聞いていたから、どんなコワモテの人かと思いきや、とても柔軟な人だった。我々の中国演劇への理解をかなり深めてくれた。彼によると、中国の演劇界ではこんな言葉が流行っているという。
 
「命を愛するならば、劇場から遠ざかれ」
 
 
午後は孟京輝の演劇(女優のひとり芝居、2時間)を観る。前に観た作品よりも様々なことを考えた。
 
 
その後、第九劇場で陶慶梅さんにヒアリング。中国のここ30年の小劇場について本を著した研究者で、日本のF/Tでレクチャーをしたこともある。2000年から北劇場という小劇場の立ち上げに関わり、そこから遡って小劇場について調べ始めたのだという。1982年の林兆花演出の『絶対信号』が彼女の研究のスタート地点となる。そのあと90年代後半にかけて孟京輝たちが台頭し、現在まで力を持っている。しかしそのあとの世代については、内面のモチベーションが足りないのではないか、との話だった。
 
 
……他にも書き記したいことは山ほどあるのだが、もう疲労困憊で明日6時起きなので今夜はこのへんにする。とにかく、今回の滞在でようやく、中国現代演劇の何たるかにアクセスできつつあるのを感じる。サポートしてくれるみなさんのおかげやで。
 
 
しかしな、若干ビールは呑みすぎているな(薄いやつを)。
 
 
ホテルの前にある酒屋の、朝から晩まで半裸でたまにハイテンションになるおっちゃんとも、今夜でお別れだ。