BricolaQ Blog (diary)

BricolaQ(http://bricolaq.com/)の日記 by 藤原ちから

マニラ滞在記3 8日目(2016/5/23)


ゆうべ眠ろうとしたその瞬間に、ぶるるるん、と何かの羽音が。ああ、ついに来たか。まあ当然この家でも出る時は出るんだなー。まあしかし、闘いは10分ほどで終わった。

 

JKの元ハウスメイトであるペンと待ち合わせて、彼女の車でマリキナへ。家に入ると、2匹の大型犬がじゃれてくる。この家も元は靴工場だったらしい。

 

やはり元・靴工場のレストランでペンとは別れ、親父さんのDaddy Yo に案内してもらって彼の経営する靴工場へ。セクションごとに作業場が別れていて、男女の違いもはっきりしている。ざっくり言うと、男たちは型をつくり、女たちは縫う。

 

何かトラブルでもあったのか文句を言いに駆け込んできた女性客がいて、彼女とダディーとのやりとりが1時間ほど続く。タガログ語だが、たまに混じる英語によって、肯定か否定かくらいはわかる。なかなか激闘の模様だった。

 

例によっての豪雨がやってくる。闘いを終えたダディーの車で市庁舎へ。「日本から来た客人がマリキナのことを調べたいらしいから資料をくれ」と繋いでくれたまではいいのだが、「この人、シングルらしいよ」と若い女性職員たちに言いふらすのはどうなのか……。しかしダディーは気さくな人だ。11人兄弟で、彼が親の跡を継いで靴職人になった。生粋のマリキナ職人。

 

ダディーと別れて、昨日リサーチしそびれたエリアを重点的に歩く。レンタサイクル屋のおばちゃん(日本で働いていたことがある)に流暢な日本語で「恋人いないの? 姪っ子紹介するよ」と言われる始末。うーん、別に頼んでないんだけどなんだろう今日のこの流れは。そんなに飢えてるように見えるのかなあ……。肝心の自転車は走りだして3分後にチェーンが外れたので、手が真っ黒になってしまった。とはいえ川沿いのサイクリングはいい感じ。途中、(本物の)水牛がいるあたりに「リトル・シンガポール」という文字が刻まれている。ペンの話によると、かつての市長バヤニ・フェルナンド(BF)は、マリキナをリトル・シンガポールにしようとしたらしい。「リー・クアンユーがBFのアイドルなのよ」

 

市庁舎で手に入れたパンフレットにもやはり「リトル・シンガポール」の文字が。興味深いのはBFの名前がまったく出てこないことで、しかし彼の業績を礼賛しているのは明らかだった。7月からは新市長に変わるらしいが、代々、BFの継承者が市長になっているようである。

 

 

市場から大通りに出たところにあるエッグボウルの店。活気があり、1個12ペソだというので食べてみたら、なかなかの美味。店員さんに日本語で「ありがとう!」と言われる。

 

なんとなくこっちの人たちの生活のグルーヴがつかめてきた感触もあり、ジプニーでの移動が苦ではない。今日はアノナス経由で乗り継いで、最後は乗り合いトライシクルに、というパターンで帰ってみる。

 

 

帰るとジェロ君をはじめPHSAの子供たちが来ている。サッとシャワーを浴びて、Ate Fe’sであんかけ鶏肉ゴーヤご飯を食べ、さてフライングハウスってバーにでも行ってみるか、とトライシクルで乗り付けたら、なんとクローズド……。そのまま運転手にマギンハワのサリサリストアまで連れていってもらう。おまけしてあげるよ、と言われたがそれでも35ペソ。運転席の後ろに座っている女性(たぶん恋人)が、ついてないわね、という顔で微笑んでいる。さらにカフェTHEO'Sも満杯で、これも運命か、と諦めて家に帰ることに。

 

するとすぐに雷ビカビカ、またもや豪雨がやってきた。これを避けよ、という神託だったのかもしれないな。サラマッポ……(Salamat po)。

 


JKはマキリン山(PHSA)の子供たちと共に騒々しくバギオに旅立った。サラが日本語で「おとっかさーん、いってらっしゃーい、おみやげちょうだいねー」と言っている。確かにJKは父性と母性を共に持ち合わせているようなところがある。

 

りっきーがウイスキーを持って部屋に入ってくる。アイサが明日には帰ってくるので、この部屋での酒盛りも今夜までだ。某嬢のガールフレンドに初めて会った。いや、去年も会っていたかもしれない。LGBTというのはこの界隈ではごくごく自然に浸透している。残念ながら国としては差別もあり、元ボクサーで今や政治家に転身したマニー・パッキャオが同性愛者を「動物以下だ」と発言したのは記憶に新しい。彼みたいな「人間」が大統領なんかにならなければいいなと思う。

 

 

ニンヤが帰り際に、「明日あなたに何かをあげる。もしかしてガールズを……?ハハハ」と意味のわからないことを言っている。別にモテてないのにモテ期のような奇妙な気分になる。

 

 

 

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