BricolaQ Blog (diary)

BricolaQ(http://bricolaq.com/)の日記 by 藤原ちから

TPAMグループミーティングでの『演劇クエスト』プレゼンにあたって

2月10日14時から、TPAMグループミーティングにテーブル出します。『演劇クエスト』について。(様々な形での)未来の協力者が見つかるといいなと思っています。興味のある方はぜひいらしてください。

 


ちなみにちょっと長くなりますが、我々BricolaQが『演劇クエスト』について直面している課題は、いただいているオファーに対して(大変ありがたいことに)とても手が足りない、ということです。プロジェクトとして拡大していくとなると、メンバーを増やすしかない。しかし見た目の単純さに比べて、技術的にも思想的にも複雑な(と自分としては思っている)プロジェクトなので、そう簡単にはいきません。都市や人間というものとどう関わっていくのか、その距離感や視点がものすごく問われる。それに観光や町おこしやその他のコンテクストとも接続することになるので(それ自体は問題ない)、こちらの核をキープしておかないとあっという間に呑み込まれて消費される危険も感じます。そう考えると、作家やリサーチャー向けのエキスパートなワークショップをやるのがいいのか? 思想的な部分を深く理解してくれて、しかもそれがその人自身が人生で培ってきた何かと響き合う、ということがもしあれば、継続的なメンバーとして迎える手もあるのかもしれない。けれど今のところはBricolaQの現メンバーで、その都度外部のリサーチャーやプロデューサーやアーティストと協力する……という現在のスタイルで、もっとこのプロジェクトの可能性をじっくり探ってみたいとも思います。
 


正直、今オファーをいただけているのはただバブッてるだけではないかという疑念も捨て切れません。いざそうだった時に、ほそぼそとでもいいし、自主企画でもいいので、じっくりライフワークとして続けていける状態はキープしておきたい。
 


海外展開も諸刃の剣で、収入や労力だけを考えたら国内に特化するほうがたぶん効率はいいんでしょう。でも自分の志向性として今は(冒険心や体力のあるうちは)もっとアウェイな環境で腕試しをしてみたいし、そうやって「外」に向かう精神こそがおそらく『演劇クエスト』の核にもなっていると感じます。いざ町に出て、日本語という母語が通じないというだけで、あるいは東アジア人(異物)として見られるというだけで、自分がどうやってこの都市の中に潜入していくかということが問われ、様々なイメージが呼び起こされるのです。今回も、ロス・バニョスや天空都市バギオ、バウコの村々を訪れてみないとわからないことがあった。デュッセルドルフもそうです。様々な都市の空気を吸うことは自分にとってとても大事なことです(たとえその空気が汚染されていたとしても!)。そう思うと結局これはただの(誰かにとっての)旅なのかもしれないし、だからこそやれている、とも思います。


https://www.tpam.or.jp/2016/?program=group-meeting