BricolaQ Blog (diary)

BricolaQ(http://bricolaq.com/)の日記 by 藤原ちから

デュッセルドルフ2日目 2015年10月13日(火)

 
校了作業という名の死闘は、不眠のまま、夕方まで続いた。なんとか仕上げて、食料を調達しに近所を散策。中国系か韓国系かよくわからないラーメン屋に入ったが、店員が何を言っているのか聞き取れないほど意識が朦朧としている。
 
少し寝て、19時。ホストのアンドレアス・ステインさんが、友人の、アンドレアス・テシュラーさんを呼んでくれたので、リビングでピルスナーを呑みながら話す。テシュラーさんは美術家であり音楽家でもあるらしく、別れた奥さんが渋さ知らズのスイス公演に関わったことがあるそうだ。テシュラーさんはオランダ語など幾つかの言語が使えるらしい。なるほどオランダはこのデュッセルドルフから近い。国境から遠くない町。数々の国境をまたいでいくライン川の流れ。少し「今、ここ」の場所に対するイメージが湧いてくる。
 
テシュラーさんには何人かデュッセル在住の日本人アーティストの知り合いがいるらしく、連絡先を教えてくれる。彼のスタジオに金曜日に来ないかというお誘い。行きたいけれど、まだ自分のこちらでのスケジュールもよく分かっていないので、仮約束だけすることに。
 
 
20時半過ぎにテシュラーさんは帰り、21時に岡本あきこさんが家にやってきた。あきこさんは今回のFFT「ニッポン・パフォーマンス・ナイト」に招聘してくれた人である。彼女と一緒に出かけて、徒歩3、4分にあるビールの醸造所へ。そこはレストランになっており、黙っていてもアルトビールが運ばれてくる。ここはこの世の天国か……。
 
今後の『演劇クエスト』の方針について相談する。まだなんとも言えないけど、手広くいくか、一点突破か……? ヨーロッパ有数の日本人街がある以上、「移民」はどうしてもキーワードにのぼってくるだろう。デュッセルの日本人はしかし、数年で帰ってしまう短期の人たちも多いらしい。そういう人たちも含めて成り立っている都市とも言える。正直、韓国からの移民も気になる。というか、自分の中のどこかにある「日本人嫌い」のような感情を、この都市ではどうも微妙に刺激される。
 
壁にかかっている絵には1814年の文字。ロシア兵が描かれている。ナポレオンがロシアから敗退した後の解放戦争を描いたものだろう。なるほどライン川周辺のここらの都市は、何度も侵略され国境が書き換えられてきた歴史を持っているのだ。寝不足で頭が痛くなってきたあたりで、やはりデュッセル滞在のアーティストmiuさんが合流してくれたが、わたしは目に見えて疲労していたらしく、今日のところはおひらきに。
 
アンドレアスさんが湯たんぽを貸してくれた。
 
 

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