BricolaQ Blog (diary)

BricolaQ(http://bricolaq.com/)の日記 by 藤原ちから

20150224 吃り

 

数日前のこと、アイサの新作について話をしていた時に、マキコがしばらく黙りこんでしまう場面があった。何か懸命に言葉を探しているので、わたしもアイサもその様子を静観していた。数分が経過してからアイサが、もしも通訳が必要ならチカラがしてくれるんじゃない?、と提案した。しかし英語力はわたしよりマキコのほうがはるかに堪能なはずだった。

 

しばらく続いたこの「吃り」には、何か大事なものが含まれていたと思う。最初にパシッと態度表明してから論を立てていく大陸風(?)スタイルと違って、マキコの母語である日本語が、曖昧な言い回しや控えめな態度を要請するものだった、という問題ももちろん含まれてはいただろう。しかしこの「吃り」の時間は変な話、悪い気はしなかった。むしろこの発話不可能な時間こそが、マキコの固有の「声」を表していたようでさえあった。そして少なくともこの時間はアイサによって共有され、その後に続いた彼女たちのコミュニケーションをゆるやかに支えていくものになった。

 

 

最近酒場に行って、取材で海外に行くという話になれば、おやめなさいとか、自己責任でとか、半分冗談・半分本気で言われてしまう。困ったご時世になってしまった。日本という国はますますドメスティックに閉じていくのだろうか? しかし国民国家という前時代の遺物がいくら頑強に振る舞ったとしても、海を越えていく人間たちの自由な精神や友情を完全に奪い去ることはできないだろう。

 

 

 

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