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BricolaQ Blog (diary)

BricolaQ(http://bricolaq.com/)の日記 by 藤原ちから

20150222 Not just talking!

quest review
 
少し遅めに起きたアイサと横浜駅に行って大関味噌煮込みうどん。そしてYCATのバスターミナルまで、うちのドラマトゥルクと共に送っていく。アイサのポールはずしりと重かった。次に会えるのはいつどこの都市でだろう?
 
 
東口から西口へ。STスポット、手塚夏子とその仲間たちによる民俗芸能調査クラブ。どの発表も独自の視点があってたいへん刺激を受けた。手塚さんとお話すると、心の中のささくれだった部分が回復していく感じがする。
 
武田力の実験(作品)は、都市に漂う価値観や身体性をゲリラ的に倒錯させていく優れて刺激的な試みだった。最初に示された「演出」はわたしにとってはかなりの難題を突きつけてくるものだったが、歩き始めてみると事前に思い描いていた様々な懸念は吹っ飛んで、かなり自由に都市をさまようことができた。まさにマレーシアのTan Juneさんが先日語ってくれたように、「Not just talking, but walking!」なのであり、つまり歩くことによってこそ哲学は呼び起こされるのだ。わたしはこの作品に潜入しているあいだ、ほとんど何も考えずにただこの都市を(未知の世界として)漂っていた。そして通行人たちはまさに「異物」として目の前を通りすぎていく。不思議と彼らはその顔を見せてくれるのである。
 
「横浜」を舞台にしたこの武田力作品もおそらくそうだろうと勝手ながら推察するのだが、『演劇クエスト・横浜トワイライト編』もまた、ある作品への痛烈なアンサーとして作られていた。残念なのは、たぶんこの意味を把握できるだけの情報収集力、洞察力、注意深さ、嗅覚、倫理観、そして都市への理解……を持ち合わせた批評家がほとんどいないことだが、「誰か優れた人物の出現を待つ」という甘い態度とはさすがに決別して、新しい世界を開拓していこう。わたしは批評家が白馬にまたがって目の前に現れるなんてことは日本では今後も期待しないし、その必要も感じない。夢に見たこともない。ただ、批評というのはもっと鋭く不可視のものを炙り出し、新たな視座をもたらすものだとは信じていたい。