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BricolaQ Blog (diary)

BricolaQ(http://bricolaq.com/)の日記 by 藤原ちから

20140524 マンハイム3日目

 

さて日記を再開しよう。今は本当は8月9日で、高知にいて、台風が迫っている。この場所と時間において、マンハイムの「日記」を書くのはなんか変やけどね。

 

 

朝、「フェスティバルは誰のものか?」というシンポジウムを聴くために郊外の会場まで足を運んだが、残念ながらドイツ語のみということだったので、諦めて散歩をした。後でわかったのだが、そのあたりはトルコ系移民の多いエリアらしく、かなり古びた、独特の雰囲気の建物がひろがっている。

 

ホテルで原稿書きにいそしんだあと、ラビア・ムルエの『Riding on a cloud』を。去年のF/Tでも観ている作品だが、いちばん違ったのは観客の反応で、熱狂的なカーテンコールに鳴り止まない拍手。主演のイエッサ・ムルエはゆっくりした足取りで、4回もそれに応えたのだった。

 

東京で観た時にはもっと劇構造に気を取られていた気がするが、今回はその詩的な言語やストーリー性のほうに惹きつけられた。特にワルツのシーンで、麻痺してないほうの手でピストルを撃つ仕草が印象に残った。目の前にいる彼=イエッサ=俳優を、そこにいるものとして捉えられるかどうか。彼は虚構の中のrepresentaionにすぎず、それでいて実在してもいる。この作品はずっと、虚像と実存とのはざまで揺れ動いている感じがする。

 

それからシャトルバスで郊外の劇場に行き、チェルフィッチュの『Super Premium Soft Double Vanilla Rich(スーパープレミアムソフトWバニラリッチ)』の世界初演。会場に入ると、岡田さんはとてもリラックスした表情で迎えてくれた。この作品についてはすでにシノドスに書いたのでそちらを。

http://synodos.jp/society/9270

 

そのあとはまたシャトルバスでネッカー川の向こうにあるホールへ。ベイルートの音楽家Tarek Atouiによるプレゼン&コンサート『The Mestastable Circuit 2』。素晴らしかった。独自につくったマシーンを使って、アラビアの伝統音楽などをサンプリング。最初のうち前のほうの席がガラ空きだったので、しめたとばかりビール片手にかぶりついた。基本、クールな現代音楽なのだが、時々奇妙な音が飛び込んでくるのが特徴。終わってすぐAtouiとマティアス・リリエンタールが抱擁していて、ほんとに彼はどこにでもいるし、瞬間移動の術とか使えるんじゃないか、と思った。

 

終演すると夜中の0時を過ぎている。てくてく歩いてネッカー川を渡り、ナショナルシアターに戻ると、やっぱり今夜もパーティだった。シュテーマン×イェリネクの作品に出ていた陽気なアフガニスタン人に声をかけられて乾杯したり……。

 

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