BricolaQ Blog (diary)

BricolaQ(http://bricolaq.com/)の日記 by 藤原ちから

20140316 サンプル『シフト』

 

東京芸術劇場でサンプル『シフト』再演。いや、松井周のストーリーテリングの妙というか。確かに演劇の王道のようにも思えるし、本当に真性の変態だという感もある。あえて構造的に階層が分かれないで、同一平面上に複数の物語が混線するような状態が凄かった。亜空間、ってこういうことかな……。ちょっと(たぶんいい意味で)悪夢だった。

 

俳優はみな素晴らしかった。武谷公雄と兵藤公美の、それぞれ方向性の異なる職人ぶりなど。サンプルの劇団員たちのプレイは、劇団員として演劇をつづけていくことの意味を身を以て示しているようにも思った(つまり着実な積み重ねといい意味での飛躍を感じた)。Qの市原佐都子は奇妙な感じであの舞台にいた。最も「生っぽい」というか、たぶん俳優として出演するのは3年ぶりくらいだろうけども、そういうタイムラグのあいだも演出家として仕事をしているわけなので、ある種、冷凍保存された状態で現れてきたというか。とりあえず、安穏とした気持ちにはなれないが、観劇の状態としては新感覚だし、良い俳優とは何か、を考えていくうえでもとても重要な存在になっていると思う。

 

 

某嬢と西口駅前のふくろで呑んで、つい呑みすぎた。彼女が異様に酒が強い、ということをうっかり忘れていた。