BricolaQ Blog (diary)

BricolaQ(http://bricolaq.com/)の日記 by 藤原ちから

20140301 家族のこと

 

またもや「見えない」席に座ってしまった。ここに客席を設置するのはNGだろう。信頼関係を構築するうえでの初歩中の初歩に思えた。いっそ完全に見えなければまだいいのだが、角度的に微かに見えるのがまた苛立ちを増幅させる。目を閉じて耳だけ澄ませようとしたのだが、「あの人、寝ているわ」と見られるのもシャクだなと無駄な自意識が働いてしまい、また目を開けて……を繰り返すうちにそれは終わってしまった。

 

『かもめ』でトレープレフの劇が失敗して途中で上演中止するあのシーンを想起した。

もちろん実験と失敗はつねに隣り合わせなわけですけども。

 

 

そうこうして、2軒目に流れた。一緒に呑んでいた人が、終電まであと5分にもかかわらず「おかわりください!」と叫んだ時、ああ、この夜は終わったなと思った。

 

 

 

……家族の話をするのはむつかしい。自分が感じているほどの親密さを、チャームを、あるいはもっと複雑な事情や感情を、他人がそう簡単に感じることはないだろう。その私的な領域はいったいどのようにして(収奪という形ではなく)明るみに出されうるのか? あるいはその必要はあるのか? 

 

今これを書いている喫茶店で、ある女性が興奮した声で電話をしていて、それでいろいろな事情がわかってしまい、しかし「どうしよう……こんなことってあるんですね」と赤い顔でオロオロして泣いている彼女にかけられる言葉は見つからない。

 

 

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