BricolaQ Blog (diary)

BricolaQ(http://bricolaq.com/)の日記 by 藤原ちから

20140128 11人の子供

 

近所の立ち飲み屋に入った途端、すでにデキあがっているおっちゃんに絡まれてありゃーこれはめんどくさい系かしらんと思ったけど、話しているうちになんだかいい話になってしまって、同席していた別のお客さんは謎の感極まり方をして号泣するし、意味が分からないことになった。この日は、家を掃除していて発見した小銭を、たぶん2000円ばかし、茶封筒に入れてそれで現金払いで飲もうという算段だったのだが、そのおっちゃんが、おい、そんな貧乏くさい茶封筒はこれと交換してやる、と言って1000円札を10枚ほどくれた。いや、今日はこんなみみっちい飲み方をしてますけどそこまで貧しいわけでもないですしもらえませんよ、ああわかるつまりあぶく銭ってことか、そうですよでもせっかくだから甘えちゃってこのお金で飲みましょうか、というわけでとにかくしこたま飲んだのだった。

 

本州の最西端の漁港で産まれたおっちゃんは、5回の結婚を経て、12人の子どもをもうけたらしい。ただ、実際に育てているのは今一緒に住んでいる少年だけであり、お風呂にも一緒に入っているという。その子の母親はいない。18歳下のその女房さんとは、世代的な価値観の違いが難しかったのだという。今は少年を留学させるかどうか考えている。わたしも同じくらいの歳に一種の「留学」を経験したようなものだから、私見ですけど、という前置きで意見を言った。ひとりで暮らすのはつらいこともあるしそれで一時的に親を恨むということもあるかもしれないけど、まあ20年くらい経ったら子供もいろいろ分かるんじゃないですか。ただ、気にかかるのはあとの11人の子供のことです。