BricolaQ Blog (diary)

BricolaQ(http://bricolaq.com/)の日記 by 藤原ちから

20131231 紅白

 

大晦日。いつもの温泉銭湯に来てこれを書いている。いつもより混んでるけど、紅白が始まってから目に見えて人が減ってきた。家に帰ってテレビを観るのでしょう。

 

今年の紅白歌合戦はだいぶ盛り上がっているみたいで、twitterのタイムラインを眺めているだけでもその光景が想像される。わたしにとっての小さい頃の紅白の記憶はといえば、毎年、母方の親戚たちが集まって忘年会をしていて、そこで紅白を眺めながら料理を食べたりオレンジジュースを飲んだりして、演歌歌手のターンになると今はもう鬼籍に入ったじいちゃんが鼻歌で歌い出すのを聴いていた。紅白に飽きるとわたしは従兄弟たちと別の棟に行って人生ゲームをしたりして遊んだ。おばちゃんが、ほら、そろそろ小林幸子の番で!、今年はどうやろうねえ、とかなんとかよく言っていたのを覚えている。

 

そんなふうなので、紅白は盛り上がるというよりもなんとなく退屈に見ていたい、という勝手なイメージがあって、だからといって退屈だったらやっぱり今は見ないし、そもそも家にテレビがないので見られない。とりあえず静かに過ごしたいから、あとで近所のお寺に行って除夜の鐘がつかれるのを眺めてこようかと思う。

 

 

 

2013年は大変な一年になった。東京デスロックの『シンポジウム』にも出演していちおう初舞台を踏んだ(?)し、『演劇最強論』もようやく刊行できた。ここ5年くらいの仕事についてはこの本でいったんひと区切りできたとは思うので、演劇から離れるわけではないけれど、もっと新しい世界を見てみたい。

 

4月に事故で大怪我をしたのも大きな体験になった。あの時に感じていた、世界から隔絶されたような感覚や、世間や人間というものを見つめるうえでの(愛だけではなく)憎しみや軽蔑のような感覚を大事にしたい。わたしはそんなに清廉潔白な人間ではないのだとあの時に思い知って、それでかえって憑きものが落ちたというか、まるで違う世界が見えるようになってきた。他人との距離感も変わってきた。生きているうちに、この感覚をどこまで深めていけるのかしら、と考えると、今の自分のボキャブラリーでは到底実現不可能に思えるから、もっと様々なことを学んで認識を深めたい。2014年はその新しいチャレンジの最初の一歩になるでしょう。

 

本当にいろんな人にお世話になりました。よいお年を。