BricolaQ Blog (diary)

BricolaQ(http://bricolaq.com/)の日記 by 藤原ちから

20131230 F/Tディレクター交替の記事、東亜演劇賞

 

F/Tのディレクター交替について、Realtokyoに小崎哲哉さんが取材記事を書いている。あいちトリエンナーレに対する中日新聞の記事への対応の際にも思ったけれども、小崎さんが持っているフェアネスな(とわたしには思える)感覚は、今後のジャーナリズムにとって、とても重要なものになると思う。

http://www.realtokyo.co.jp/docs/ja/column/outoftokyo/bn/ozaki_255/

 

やっぱりきちんと議論の場を設けてほしい。これまでのF/Tの理念が何らかの形で継承されていくのか。それともせっかく積み上げられてきた(相馬千秋だけでなく、様々な人が関わってつくってきた)それを捨てて、まったく新しい(古い?)、広告代理店が入ってくるような観客動員最優先のフェスティバルにするのか。

 

 

いっぽうで、素晴らしいニュースも飛び込んできた。東京デスロック+第12言語演劇スタジオの『가모메 カルメギ』が、第50回東亜演劇賞(韓国)で演出賞、作品賞、舞台美術・技術賞の3冠を受賞したという知らせ。しかも外国人の同賞演出賞受賞は初めてという快挙。

 

【韓国のニュース記事】

http://news.donga.com/Main/3/all/20131229/59852239/1

http://news.donga.com/3/all/20131230/59852249/1

 

『가모메 カルメギ』はソウルまで観に行った作品で、その時の感想はこの日記にも書いた。彼らの素晴らしいチャレンジが、韓国できちんと評価されて、受賞にまで結びついたことは本当に喜ばしい。新聞の名前だけれども、奇しくも「東アジア」を意味する名を冠した演劇賞を受賞したことの意味は大きいように思う。今後、多田淳之介と東京デスロックが、韓国、日本、あるいは他のエリアでさらなる活動をしていくにあたって、この受賞はきっと大きな力になるだろう。第12言語演劇スタジオのソン・ギウンさんや、ドラマトゥルクのイ・ホンイさん(『シンポジウム』で通訳をしてくれていた彼女)にも祝福を。

 

東京デスロックのウェブサイトに掲載された多田さんのメールインタビューを読んで、背筋が伸びる思いがする。あらためてその視野のひろさを再確認すると共に、それがこうして言葉として語られ、韓国や日本の人たちに届けられているという事実に、未来を感じる。自分も頑張ろうと思う。勇気をいただいた。

 

 

 

夜は渋谷に出て、毎年恒例の三人会+α。本当に楽しかった。これをやらないと年が終わらないという感じになりつつある。いつのまにか二軒目で寝オチしていて置き去りにされ、明け方目覚めてみるときれいさっぱり誰もおらず、ケータイにはSさんからの「すまんです!」というメッセージが……。また来年もこうやって集まれますように。