BricolaQ Blog (diary)

BricolaQ(http://bricolaq.com/)の日記 by 藤原ちから

20131113 唐ゼミ『唐版・滝の白糸』

 

KAATに唐ゼミ『唐版・滝の白糸』を観に行く。ご開帳〜、みたいなシーンとか大いに楽しんだし、KAATの技術力には毎度唸らされるし、唐ゼミの中野敦之の演出意図も(アフタートークを聴いたこともあり)伝わってきた。ただ、それは「唐十郎のこの戯曲をどう解釈するか?」という学究的問題に終始していて、「今なぜこの戯曲を上演するのか?」というアクチュアルな問題意識には欠けていたように思う。現代人の身体では、アングラ世代の「本家」の肉体には太刀打ちできないのではないだろうか。仮にものすごく本家に肉薄したとしても、どうやってもイミテーションの域を突破できないのではないか? 中野さんは唐十郎のことが好きすぎると思う。直系の弟子であるからこそ、むしろ距離をとったほうがいいのでは? 次はやなぎみわの書いたテクストを上演するらしいので、そのへんの変化が生まれるかどうか。