BricolaQ Blog (diary)

BricolaQ(http://bricolaq.com/)の日記 by 藤原ちから

20131103 「中日新聞5記者への公開質問状」について

 

起き抜けに、Realtokyoに掲載されていた「中日新聞5記者への公開質問状」を読む。あいちトリエンナーレへの地元新聞からの粗雑な批判に対して、小崎哲哉さんが、あくまで事実誤認に焦点を絞って反論しているのは、空中戦にせずに寝技に持ち込むためにもクレバーな戦略だと思う。この先、中日新聞からの応答はあるのだろうか。

 

以前、例えば小豆島での日記にも書いたように、アーティストは移動するものだし、つねに「よそもの」であると言ってもよく、だからこそ必ず、地域からの反発を一定数は招く。「よそもの」を排斥する無意識の力は、どんな地域にも生じるだろうから。ただ、その葛藤や折衝の中から、ようやく生まれていく関係もあるだろう。新しい関係を生んでいくしかない。「よそもの」に対する寛容さを失った時、その町は衰退していくことになるのだから。あらゆる産業が斜陽のこの国で、生き残る道は、「様々な関係を編み直す」こと。すべてのアーティストがそうだとは当然思わないが、少なくともそのような試みをしようとしている人たちはいる。それを評価するメディアやジャーナリズムや批評もまた、意識を変えなくては。それとも、足を引っ張り合ってみんなで泥舟で沈んでいくか。

 

「地域の代弁者」にはそのあたりをよく考えてもらいたい。(そもそも「代弁者」にろくなものはないとも思うけども。それが本当に切迫感のある声なのかどうか、語る言葉や回路を持っている人間ならば考えなくては。)

 

 

電車4本乗り継いで成城ホールに向かい、中学生の演劇大会で、世田パブチームによるかぐや姫の上演を観る。疲労困憊でぼーっとして電車を乗り過ごし、遠回りして横浜に帰った。三吉橋の銭湯で幾らか回復し、横浜橋の酉の市へ。いろんな人とくっついたり離れたりしながら、朝まで飲む。