20131015 1日目、三宮、坂手、表現(Hyogen)
旅に出る。朝は憂鬱だった。低気圧が近づいているうえに仕事も残っている。とにかく後先考えず、出発することに。新幹線は、これまでの人生では最も馴染みの薄い乗り物だった。このスピードを自分は必要としてこなかったのである。車内で仕事をしていて酔ってしまい、不機嫌なまま、新神戸に降り立って地下鉄で三宮に出た。
さて、この旅の日記をどのように書いていったものだろうか、と迷う。時系列的に、起こった出来事を書き連ねていくだけでもいいのだが、どうも自分自身がそうした記録に大した興味を持てないようである。例えばこの日であれば、自分にとって大事なのは、いくつかの歌たち……で、それを並べておくだけでも記憶は喚起されるのではないか。そして、風景。例えばある写真は、それを撮ったわたしにとっては大きな意味を持っている。仮にそこにキャプションをつけたとしたら、それを幾らか読者に伝達することもできるだろう(だけど今はそうしない)。
とにかく、聴覚(歌)と視覚(写真)だけでも十二分に旅は記録されうる。しかし重要なのは、そこで何を感じたか、何を考えたのか。
【メモ】
「んごんご」とは坂手地区のあたりでセミの幼虫を指す。
表現(Hyogen)の佐藤公哉くんとは7年ぶりくらいの再会だった。河口湖のほうで会ったことがあった。
「ふるさとの訛りなつかし停車場の人ごみの中にそを聴きにゆく」石川啄木