BricolaQ Blog (diary)

BricolaQ(http://bricolaq.com/)の日記 by 藤原ちから

20131005 場数を踏めばいい

 

長い一日。体調は安定していたけども、薬を飲んだあとはやはりヘロってしまう。29番のシリアルナンバーの入った特製Tシャツを着て、桜木町駅、YCC、BankART、そしてハンマーヘッドスタジオへと歩く。BankARTでとある方にご挨拶したら、「あれ? こっちもやってらっしゃるんですか」と返される。ええ、なぜかやっているのですよ。こっちもあっちもなくなりつつある。なくなったらいい。

 

雨のなかを、まさに前夜に完成したばかりのフリペ「ヨコトリーツ!」を配って歩いた。徐々にコツをつかみ、身体が動くように。この人は受け取ってくれないかな、と見えた人が意外に興味を持ってくれたりとかもする。こんなことでもなかったら一生話さなかったであろう人たち。たとえ二言三言でも、何かを交わせたな、って思う瞬間は嬉しい。

 

 

横浜トリエンナーレ300日前記念イベント。トークで最も印象に残ったのは、BankART1929代表・池田修さんの「好きなことをやればいい。ダメって言われたりするけど、なんとかなるものです」との言葉。

 

若い2人の進行はつたないところもあったけど、ちゃんと準備をしてとてもがんばっていたし、でも「がんばったからいい」とかで済ませるのではなく、ゆるやかなダメ出しをしながらオトナたちが「場数を踏めばいい」と言って見守っているのは大らかでとても良いなと思った。こういうのって超貴重だと思う。実際クレバーな子たちだし、場数さえ踏めば、もっと周りのいろんなものを見る余裕が生まれるだろう。「失敗は成功の素」とはよく言ったもので、『演劇最強論』のKERAさんのインタビューでもそんな話をしているけれど、「失敗できない……」とガチガチに萎縮して(させて)いたら伸びるものも伸びない。まあわたし自身、若い時はさんざん失敗を重ねた。てゆうか今もそうかも。死屍累々ですよ……。

 

 

ともあれ「ヨコトリーツ!」が刊行されて、イベントも無事大成功ってことでよかったよかった、めでたしめでたし。ここまでこぎつけた人たち、おつかれさまでした。そのあとは穴場の中華を教えてもらって大いに打ち上げ。服薬中なので、ノンアルコールビールで我慢……。サポーターの面々の、もはやほとんど気を遣わなくてよいこの感じはとてもありがたいです。みんないい顔してた。幸せなことですね。

 

 

ところで小学校WSの件、アシスタントがひとり決定。結局これも、わたしひとりでつくるつもりが全然ないのだった。いろんな人(特に若い人)の知恵や技術を借りながら、最終的に良い場と時間をつくりあげていきたい。そういう器が世の中にいっぱいできていったら楽しいと思う。「うまくいく」ことよりも、目の前にあることをきちんと受け止めて、何かが残るような体験になったらいい。子供たちだけでなく。

 

 

http://instagram.com/p/fFJkN5KsrH/