BricolaQ Blog (diary)

BricolaQ(http://bricolaq.com/)の日記 by 藤原ちから

20131001 F/Tアーティスト・フォーラム

 

10月になった。誰か台湾人と「寛容」について語り合った気がするのだが、そんな記憶はないので、夢のどこか奥深くのほうで、そうした会合が秘密裏に行われたのかもしれない。この日はとある才媛から、2ヶ月間、ほとんど誰とも接触せずに引きこもっていたとゆう話を聴いて少なからぬ衝撃を受けた。きっと彼女なりの「迷子」を経験したのだろう。彼女がなぜそのような茨の道を歩み続けるのか、まったく謎だが、しかしおそらくこの「迷子」状態は、ゆくゆく彼女の強みになるだろうと漠然と予感した。

 

 

F/T13のアーティスト・フォーラムへ。下記にアーカイブもあるので、ここでは第二部で特に気になったことのみメモ。

 

第一部 F/Tディレクター相馬千秋による各演目の解説 http://www.ustream.tv/recorded/39428244

第二部 アーティストによるディスカッション http://www.ustream.tv/recorded/39428819 

 

岡田利規 例えば「声が出ない」という物語。ある強固な物語が嘘とされた時に、それでも生き残ってしまうことについて。

 

▼高山明 今回は編集、キュレーションとしての感覚がある。牛をひいていくような。物語を別の物語で鎮めることについて。

 

宮沢章夫 「今」という時代がつねに特別視されてしまうこと。死者の言葉。誰かが記述しなければならぬとゆう意志について。木ノ下君の「声」が気になる。

 

小沢剛 「デュシャン初音ミク」に着想を得た。

 

▼木ノ下裕一 四谷怪談は、討ち入りにいけない人々の群衆劇である。また、道頓堀をプールにしようという考えの「あっぱれさ」について(これは先生特有の皮肉である)。

 

▼中野成樹 これは壮大ないじめなのか……。獲ったシャケを川に離すように。シャケです。足立区はサイコーだよ(これは後で聴いたけどサイコーには複雑な意味があるのかもしれない)。四谷怪談の元となる古い物語と、新しく生み出す物語と。

 

▼松井周 物語を貼り付けられることには、理想、目標、偏見などが託される。(父性、母性などの)物語にはオルタナティブがあるはず。変態とは、変身・メタモルフォーゼでもある。オイディプスを追い詰めたコロスの視線とは。

 

▼相馬千秋 ポストドラマ演劇にも物語はある。

 

岡田さんの問題提起は、あきらかに何かの事例を想定しているように思えたけれども、その固有名詞は明らかにされなかった。そのため議論はやや空中戦の様相を呈したものの、かえって聞き手に様々なインスピレーションを与えたのではないだろうか。

 

 

徳永京子さんから、日芸湯山玲子ゼミでのゲスト講師を終えて、近くで飲んでるから合流しませんか、との連絡。では軽く一杯だけ、と思ったら湯山さんのあの勢いある饒舌に巻き込まれて終電まで。もちろん楽しかったから。