BricolaQ Blog (diary)

BricolaQ(http://bricolaq.com/)の日記 by 藤原ちから

20130923 スナックままごと

 

象の鼻テラスでのままごとワークショップ発表会、シアターゾウノハナ『象の思い出』へ。4、5、6月の同シリーズについては、『演劇最強論』の中の「「以後」の世界の演劇」でも少し触れているので、そちらをぜひ参照してください。今回はこれまでとは少し趣向が変わり、公募で集まった人たちと4日間のワークショップを経た成果の発表。14時から、1時間置きに4回の発表があるはずだったけど、急遽15時半の回が追加される、という遊び心。その回では、リュックを背負ったおばあさんが踊りはじめちゃったのだった。この日は子どもも多くて大盛り上がり。しかもラストの17時の回には、ちょうど船が出航するのと重なるとゆうミラクルもあった。なんて気持ちのいい演劇だろう。

 

「演劇とすれ違う」という柴幸男のコンセプトは、この場所でかなり達成されつつあるようだ。このやり方はフラッシュモブにかなり似ているが、モブの多くが、居合わせた人たちを「驚かす」ことに重きを置いているのに比べると、こちらはむしろ空間を包み込んでいくようなところ(そして居合わせた人たちの自由参加を誘発するところ)が大事なのかもしれない。言葉を使っている(演劇的である)ところも大きい。居合わせた人たちの想像力をひろげること。完璧な振りで踊ることの「美しさ」を目指すよりもむしろ、良い意味での「隙」もあって、それがこの風通しの良さに繋がっている。「ゾウ」を使ったダジャレには道行く人たちがクスクス笑っていて、敷居を下げる抜群の効力があったようだ。テクストを読む役をやったふたりも良かった。特に15時の回。女性の番だったが、わたしは外で声だけを聴いていて、なんでこの人は息も絶え絶えな感じで喋っているのだろうと不思議に思った。緊張のせいかもしれないけど、むしろそれが道行く人たちの足を留めさせていたのは間違いない。とても魅力的な語りだった。

 

12月にはいよいよ本番というか、このシリーズの最終章があるらしく、今から楽しみ。もちろん劇場の中でも作品をつくるだろうけども、こうやって劇場や演劇プロパーの世界の外に出ていくことによって、柴幸男は大きな収穫を得ているのでしょう。「東京の小劇場」という土俵から、降りた、というよりも抜け出ていった。

 

 

 

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17時からはスナックままごと。柴くんがおもむろに取り出したゲームで遊ぶ。おばけのチェスみたいなゲームで対決して見事にやられてしまった。くやしい……。でもいろんな人たちと話せて楽しい夜だった。そういえば最初にやったゲームは、各人の性格を考察し、それを見事に見抜いて長所をうまく伸ばした人が勝ち抜ける、というものだった。そのへんも柴くんらしいなあ、と後で思う。

 

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雨のなか、中華に行って、最終的には吉田町の沖縄バーへ。なんと『演劇最強論』の最初に掲げたマトリックスにそっくりのアレが……。もっとも個性的な泡盛とキャプションに書いてあった石垣島の「白百合」を、うん、この場所は三浦基(地点)かな、とか思いながらロックでいただく。癖があったけどすごく美味しかった。海ぶどうによく合う。

 

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