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BricolaQ Blog (diary)

BricolaQ(http://bricolaq.com/)の日記 by 藤原ちから

20130824 フラムドールのある家

diary review

 

早めに浅草に行って蛇骨湯でも寄ろうかなー、なんて考えていたのに、仕事をしていたら出遅れてしまって、桜井圭介さんによる吾妻橋ダンスクロッシングの10年を振り返るトーク(聞き手:野村政之)にギリギリ間に合う時間に。ちょうど、近所にお住まいのWさんがひょこひょこと手ぶらでやってくるのに遭遇した。入口で、金色のものを身につけていたらドリンク一杯サービスというので、何か持ってないかな、と我が身をまさぐり、この帽子、金色っぽいけどダメですか、とか交渉していたら、ちょうど売り子をしていた捩子ぴじん氏に粘りすぎでしょと苦笑いされる。あ、フラムドールのある家、というイベントです(@アサヒアートスクエア)。フラムドールって、要するに金色のアレのことなのね。

 

トークは90分。野村君がしっかり準備をしてきていて、非常に実りある内容だった。例によって桜井さんの一時期以降のダンスへの失望が語られながらも、いっぽうでそれは、桜井さんがダンスを愛しているからこそなのだ、ということが明らかになったし、吾妻橋DX第二期に向けての可能性も示されたのではないでしょうか。わたしは野村君の足の姿勢がずっと気になっていてtwitterに投稿したりして遊んでいた。

 

会場は、とてもゆるやかなアットホームな雰囲気で、ビールを飲みながら、トークを聴いている人もいれば、雑談に興じている人もいる。それらが両立しうるのはあの空間の広さがあるからこそだろう。飛び入りでやってきた韓国のアート集団に15分間のプレゼンの時間が与えられるなど、フレキシブルな対応も素晴らしい。

 

そして19時からのパフォーマンスは圧巻だった。フラットな舞台面ではなく、家のように積み上げられた木組みの上でパフォーマンスするのだが、お客さんがいわゆる「演劇」が好きな人だけではないので、ちょっと不思議な空気。少なくとも(小劇場にありがちな)腕組みしながら観るあの感じがなかったのが良い。

 

各10分で4組という構成。トップバッターの岩渕貞太は「living」のアレンジ。椅子を使って、いびつな舞台面の上で際どいパフォーマンスを展開していく。狭い劇場で観るよりも、彼の身体の骨格(実はそれ自体が魅力的だと思う)が顕わになっていて良かった。ただ一番下の面には足を付けないとか、何かもうひとつルールがあると、構造的には締まりが出たのじゃないかなという気もした。

 

続いて、Q。『虫』再演の一幕としてあった新作落語のパフォーマンスをパワーアップさせた一種のコント。これ好きなのよね。かなり馬鹿馬鹿しくて可笑しかったけど、よく考えたら笑えない内容でもあるのだった。バレリーナ役(?)を除いては浴衣姿なのだが、まゆみ君はまるで極道の妻みたいだった……。面白かったなー。単純な落語のうまさでいえば『虫』の時の狩野佑奈のほうがキレ(?)があったと思うけど(そうした比較に意味があるとも思えないけど)、今回の飯塚ゆかりの、いわく言い難い、場を凍り尽かせる感じ(みんなリアクションに困って時間が止まってしまうようなアレ)はなんなのだろう。一気に空気を変えてしまった。初めてここでQを観た人は、謎の美(少)女コント集団って思ったかもしれないけども、ともあれそのあとのバーカウンターにおける「ガールズバー形式になってまーす♥」的な口から出任せのテキトーなノリ(だがまったく媚びるところはない)もいい感じだった。Qは市原佐都子という類い希なる才能のもとになんとなく結集する最強の女子軍団という感じになりつつあるのかもしれない。

 

そして捩子ぴじん+カンノケント。緑色に身体を塗りたくった捩子ぴじん。たぶん内容は、怪談オチと階段落ちをかけたのでしょう。気味が悪すぎて破壊力抜群だった。シュールでくだらなすぎるがゆえにある種の(どんな種の?)感動を誘うものがあった。

 

53235は、振る舞いがミュージシャンっぽいな、と思いつつ(わたしはどうやらある種のミュージシャンっぽい振る舞い、というのがあまり得意ではないらしい。現代演劇はもうここをメタ化して乗り越えていったからなあ、と思ってしまう)、中米ベリーズの言語での歌にはハッとさせられるものがあった。

 

そんで終わってしばらくその場で飲んでいたら、「何に着目すべきか」チームの古賀稔章くんをお見かけしたので、しばらく話し込む。古賀くんは数年前にわたしがつくっていたミニコミに協力していただいて以来、節目節目でお会いするとても尊敬する人物なのです。

 

 

 

……とかなんとかで楽しかったのだが、わずかの差(目の前でドアが閉まる)で最寄り駅までの終電を逃し、しょうがない、桜木町からタクシーで帰ろうと思って京浜東北線に乗ったら、起きたら洋光台だった。マジか……。とりあえず降りてはみたものの、駅前には綺麗に何もない。コンビニすら見当たらない。財布の中には1000円しか入っていない。眠いし、やや風邪気味だし、もうすっかり気力を失いかけたけど、こんなことでもなかったらこの町には来ないよな、と思い直し、歩いてみることに(最初は歩く方向さえ間違えた……)。ニュータウン的な町並みに隣接するようにして巨大墓場があったり。歩けども歩けども、店がない。コンビニが一軒(とりあえずお金をおろす)。メンズアオキとか。それでも上大岡が見えてきた時は、街の灯りだ、と思ってホッとした。大岡川に至ると、さらに安心する。結局弘明寺まで歩いてラーメン食べてタクシーで帰る。

 

 

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