BricolaQ Blog (diary)

BricolaQ(http://bricolaq.com/)の日記 by 藤原ちから

20130727 シンポジウム富士見1日目

 

明け方、激しい雷雨で一度目が覚めたけれども、再び寝て目覚めてみたら晴れていた。キラリ☆ふじみへ、ことこと電車に揺られていく。

 

東京デスロック『シンポジウム』富士見会場初日。やっぱり全然空間が違う。横浜に比べるとアウェイ感があるけど、どちらかというとそのほうがリラックスできる感じもあった。というか横浜で8公演やってみて、まあいろんな意見も浴びたし、それなりに腹も括れてきたというか、自分ではどうにもならないものがあるのだなあ、という感触が出てきたのだった。かといってもちろん手を抜くわけではない。この日は、例によってアンコントローラブルよしおが暴走したので、言うことを聞かせるためにちょっとした嘘をついた(気づいたのは原理的にTJだけのはず)。この日のハイライトは、夏目、クラウディオ、ドゥヨン、の三角形が形成されたことだろうか。(クラウディオは、多田さんと一緒にTACT/FESTに参加するデンマーク人。この日はお客として来ていた。)

 

遠路はるばるいろんな人が来てくれて嬉しかった。終わって、川越の祭りに行くことになり、タクシーに乗り込んだのだが、のこされ劇場≡の新人・鈴木萌嬢が(一緒にあの藍島の行った人)凄くて、タクシーの運転手が大事にしているっぽい、何か標語のようなものを書いた紙(本人が趣味で時々書いてはストックしているらしい)を勝手に触り、その運転手のおっちゃんの人生にいきなりずけずけと触れてしまったのだ。そういうのが苦手、って人もいるかもしれないけど、少なくともこのおっちゃんは怒ってなかったし、とりあえず、人間としてちゃんと向き合ってるという感じはあって、なんだか驚いてしまった。わたしには開けられない扉を軽々と開けてしまったというか。

 

川越までの電車では、クラウディオといろいろ話す。イギリスの王子誕生と、日本の皇室についてなど。こちらはカタコトの英語なのだが、わりとスピードレベルを合わせてくれたのだと思う。とはいえ、ドゥヨンと毎日カタコトコミュニケーションをしてきたので、以前に比べるとだいぶ臆することがなくなった感じ。英語を話す時、どうしてもざっくりした性格になりがちなので(簡単な反応しかできないから)、そうではなくて、思想や価値観的なところにできるだけ踏み込んでいきたかった。そういうボキャブラリーを獲得する必要がある。

 

 

わたしは川越駅前のカプセルホテルに宿を取っていたので、チェックインするために一行と離れたのだが、ひとりで歩き始めたらなんだかそれが楽しくなってしまって、まあこのまま再合流できなくてもそれはそれで楽しそうだし、スマートフォンにできるだけ頼らずに偶然を装って再合流したかったのだが、雨が降ってきた。それも尋常ではない豪雨だった。最初のうち、すぐにやむよ、とにこやかな顔で笑っていた人々も、雨宿りをするうちにどうやらこれは本降りらしい、と気づいて、寒いし、顔面蒼白になっていった。わたしも凍えそうになった。まずい。電話をして、TJたちが店に入ったことは確認したけれど、その店まではだいぶ距離がある。もう、目の前にある赤提灯の店にひとりで入ってしまおうかとも思った。風邪ひくわけにいかないし……。とか考えていたら、雨宿りをしていた花屋のおじさんが、何枚か、でっかいビニール袋を配り始めたのである。父・母・息子が、そのひとつのビニール袋にすっぽりとくるまれて、まるでひとつのレインコート共同体のようになって帰路へと急いだり。わたしもそのビニール袋を借りることにした。そしてそれにくるまれて、豪雨の降る川越の町を幽霊のように歩いていったのだった。

 

 

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