BricolaQ Blog (diary)

BricolaQ(http://bricolaq.com/)の日記 by 藤原ちから

20130601 悪魔

 

『演劇最強論』担当編集の不夜嬢との打ち合わせのために待っていたけども、終演時間になっても連絡が来ないので、あれ?、と思って吉田町スタジオに行ったらちょうどはけたところで、キノカブを観たお客さんがワッと路上に溢れてきていた。たまたま来ていた洋行帰りの悪魔氏が飲みに行こうというので、不夜嬢とR氏と北東料理の店へ。自分は他の人と感性が違うのではないか、と真剣な眼差しで言ってくる悪魔氏に、何を今さらと思いつつも、それはさておき、「様式」と「現代」の問題についてなど実りある話ができた。

 

怪我をして以来、あいかわらず夢の気配が濃厚だ。自分が少年時代に住んでいた家の庭に、気持ちの悪い生き物が生えていた。わたしはその庭で、クローズドな勉強会をひらこうとしていた。すでに論文が2本集まっていたので、それを査読する会を催そうと思ったのだ。ところがわたしは全然違う街に出かけて迷子になってしまって、家に帰れない。他人様の家で、そのまま3日間くらいを過ごした。しかしいつまでもそこにいるわけにもいかないと思っていた。帰り際に、その家の娘が映画館のバイトに行くというので、ついでに駅まで送ってもらうことになり、その家の伯父の運転する車で一緒に映画館に向かった。後部座席で、わたしは娘の差し出す素足の上に顎を乗せて、そのまま2人して彫刻のように固まっていたのだが、お互い特に性的魅力を感じていたわけではないらしい。なんとなくその状態が適切に思えた、というだけだった。そして映画館に着いてみると、娘がイヤホンを家に忘れてきたと言う。バイトで必要らしい。仕方ないのでわたしのイヤホンを貸してあげて、明日学校に持ってきてくれればそれでいいよ、と言ったけど、考えてみたらわたし学校になんて通ってないじゃん、と思ったあたりで目が覚めた。

 

その3日間のあいだ何をしていたかというと、例えば、娘には女ともだちがいた。しかし娘はそのともだちにあまり関心を払わず、外に待たせたままで1日が経過した。そのともだちは、怒ってるかと思いきや、そうでもなかった。ちょっと拗ねてはいたけれど、わりと淡々と、娘のことを待っていたのだ。