BricolaQ Blog (diary)

BricolaQ(http://bricolaq.com/)の日記 by 藤原ちから

20130527 ロロの映画

 

ロロの映画と演劇を観た。

 

まず映画『ダンスナンバー 時をかける少女』。映画監督としての三浦直之の様々なアイデアやセンスを感じる。この世界観もかなり面白い。ぜひ映画、撮り続けてほしいと思った。ロロやその周辺でお馴染みの俳優たちもかなり映像にフィットしてた。自主映画くらいの予算規模の映画だと、ほんとうに演技がショボすぎるものにお目にかかることが多くて、それに目をつぶるのがルールなのですね……みたいになりがちだけど、さすが、全然レベルが違う。

  

ただ、映画としては「怖さ」が足りないと感じた。例えば、あの亀島一徳×島田桃子だけで映画を撮るとしたらどうなるだろう? 最初から部分として構成されるのではなくて、もうあの二人の世界でしかない、というところまで追い込まれたら……? いっぽうで車に乗った3人組も、あれだけでロードムービーを成立させられるだけのものがあると思う(多賀麻美のああいうキャラは好きなのでもっと登場させてほしい!)。そのうえで、あれらの世界が交わったら(あるいは交わらなかったら)……。あとやっぱり、映画にはエロス(エロじゃなく)が欲しいのです、わたしは。

 

篠崎大悟登場のシーンが凄く良かったんだけど、あそこにヒントがあるのではないかと思う。たぶん「してみせる」ということが映画では通用しにくい。しかしあのシーンについてはそれが有効に機能していた。非常にのびやかで、風通しがよくて、ロロの真骨頂が見えたようにも感じたのだった。てゆうか大悟くんすげえなっていう。

 

映画界と演劇界の垣根はもっと壊れてほしい。ロロはもしかしたらそのとても重要な橋渡し的存在になりうるかも。

 

 

 

終わって、いったん、今はまるで迷路のようになってしまった下北沢に出て、珈琲とジンジャーエール呑みながら仕事して、再びアゴラに戻って今度は演劇、『ミーツ』。でも長くなるので、こちらは次の日の日記にゆずります。

 

そうそう、この日は、『ミーツ』終演後に桜井圭介さんとひさしぶりに話せたのだった。範宙遊泳『さよなら日本』について、演劇としてはすごくいいけど内容にはピンとこなかった、というような趣旨の感想をツイッターに書かれていたのを読んでいたから、その話をしたかったのである(できた)。結果として、自分のミッションがかなり明確になったと思う。ありがたし。中央線時代はもっと頻繁に呑めたんだけれども、まあ、でも、こうやって時々お話できるのは嬉しい。ただ、時間切れでロシアの話は聞きそびれたので、またの機会に……。