BricolaQ Blog (diary)

BricolaQ(http://bricolaq.com/)の日記 by 藤原ちから

20130430 象の鼻

 

もう、身体が動かなくなりつつあったのだが、柴幸男くんが、ひさびさに横浜に登場するとの噂をtwitterで見ちゃったので、これは行かねば……と思って(まだ自転車が復活していないので)電車を乗り継いで象の鼻テラスへ。息も絶え絶え、という状態で向かったのだが、結果的に、この場に立ち会えてとても幸せだと感じた。

 

柴くん自身を含めて、7人の俳優たちが、象の鼻のカフェのガラス窓に書かれている谷川俊太郎の短い言葉(問いかけ)を手がかりに、ひとりひとりがつくった2、3分の小作品を発表していく。いずれも、それぞれの発表者の、これまで過ごしてきた時間の豊かさ(とそれが抱え持つヴァルネラビリティ……)を感じさせるものだった。

 

どの作品も印象的だったけども、例えば間野律子(昨日までブルーノプロデュースに出てた!)の発表は、宇宙のコロニーから地球の風景を思い出している、という物語で、ナカフラの洪雄大がその「地球の風景を思い出している人物」として友情出演(?)していたのだが……謎だったのは、目の前を乳母車を押しているカップルが通りがかった時に、「あれが、彼(洪雄大)の両親です」と間野さんが言った。そのカップルは、偶然通りがかったようにしか見えなかった。となると、あのセリフは即興だったのか?

 

伊東沙保の発表も素晴らしかった。かなり私的な話を手がかりに、自分が今どこにいるのか?、という問いかけが、海と、そこに浮かぶ大きな船を背景に為されていくのだが、そこでは、空間の広さや狭さといった尺度、あるいは、過去・現在・未来といった時間概念が、日常的に触れているものとは違っているようにも感じられた。

 

今回のWS発表会は、秋に向けてのキックオフでもあるらしい。11月……。F/T期間中も、これは東京にだけかまけているわけにはいかないなと思った。横浜もきっと面白い。「演劇とすれ違う」場を目指していますと、柴くん。実際この日も、この場にたまたま居合わせた人たちは「すれ違った」のではないか。

 

 

ところで、象の鼻のHさんという方(初対面)が丁寧にいろいろと教えてくださった。なんとなくの直感だけど、気が合いそうな人だなと感じた。彼女もオススメの、12日に行われる「目」というアーティストの「FICTION SCAPER」が面白そう。