BricolaQ Blog (diary)

BricolaQ(http://bricolaq.com/)の日記 by 藤原ちから

20130404 黒崎

 

朝風呂に入って、のち、PUNTO PRECOGを特別にプレオープンしてもらって、珈琲を淹れていただく。東京ではない土地で生きること、について話をして、別府駅へ。あややにアパートの鍵を返した。

 

ソニックでそのまま小倉を通り越して黒崎へ。放射線状の町は、ちょっと迷子になるような感覚があって、面白い。商店街はかなりシャッターが降りた状態になっているようだったけれども、北九州の労働者的なエネルギーはまだ少し感じられる気がする。ほんとは夜も居てみたいなと思った。24時間営業のエビス屋昼夜食堂で、ビールとおでん、焼き明太子など。そのあとしばらく仕事。

 

黒崎から小倉に戻る途中で、スペースワールドを通過した。この向こうに枝光があるのだなと思った。快速列車だから、枝光、という地名すら発さずに通り過ぎていくけれど、この電車に乗っている人たちに、あの町で起きてきた数々のミラクルのことを伝えたいなと思った。自分の仕事は、きっと、そういうことなのだろう。

 

小倉では、少し迷って、結局またカフェ・ド・ファンファンでオムライスを食べることにした。それから珈琲を飲みながら、仕事。陽気に酔っぱらっているおじさんがいた。20歳くらいのアルバイトの女の子がかまってくれるので嬉しくなってしまったのだろう。店主が、「今日はちょっと調子がいいですな」と言って穏やかにたしなめていた。

 

空港で、立ち飲み屋のおっちゃんたちに頼まれていた土産物を買う。飛行機の中でも仕事。

 

機内放送のストラヴィンスキーを聴きながら着陸するのはちょっと恐ろしかった。オペラの、劇的なものを煽る力って、なんなのか。そして、乞局が解散したという衝撃的な事実を知る。複雑な気持ちになったのは、下西啓正さんのブログで、今後何か演劇ユニットを立ち上げるようなことはない、と書かれていたことだ。また、やりたくなったら、やればいいのでは、と思った。というか、こう思うのは傲慢かもしれないけども、自分の力不足なのではないか、とも思った。演劇について、いろんな記事を書いて、でもそれが、誰に対して、どの程度、伝わっているのだろうか。モグラ叩きのように、ただあっちにいったりこっちにいったりして、場当たり的に何かを書いているだけなのだろうか。いやそんなことはない、と思いたい。人を絶望させるようなことはしたくないと思った。かといって希望とかでもない。絶望の虚妄なることまさに希望にあい同じと魯迅は言ったけども、希望でも絶望でもなく、ただ粛々と「今」を繋いでいくというような、その力になるような、そういう言葉が必要ではないかと思った。

 

そんなことを考えていたら、京急蒲田で乗り換えるべきところを、品川までいってしまった。無駄に、満員電車に巻き込まれた。こんな東京に住みたくない、と強く感じたけども、考えてみたら、自分はもう東京には住んでいないのだった。

 

なんだか帰りたくなくて、ファミレスでしばらく仕事をしていた。不夜嬢から電話があって、乞局のことを話した。