3/13-3/18 北九州2日目以降
*STAY in 北九州
2日目は枝光に行って、一日、アイアンシアターにお世話になった。のこされ劇場≡『枝光本町商店街』を観て、小学生劇団ISKに衝撃を受け、松田正隆さんと岸井大輔さんのトーク、からの朝までUST、宿泊、3日目は八幡製鉄所の見学で「近代化」をひしひしと感じ、以降は小倉で過ごした。主に「北九州演劇フェスティバル2012」を観ながら、原稿を書いたり、ビールを飲んだり。100円ビールの白頭山は素晴らしかったなあ。安い酒を呑めるというのは、わたしにとってとても大きなことなのだと感じた(そういう場ではフランクな話ができるから)。
書きたいことは山ほどあるけれど、とりあえずは写真をアップしておく。たくさんの人と話して刺激を受け、今後の人生についても考えざるをえなかった。藤田くんが岸田賞を受賞して、わたしの中では何かがひと区切りしたな、という印象があって、ではこれからどうすんの?を考える時、いわゆる東京の小劇場にはかつてほど興味を持ってないことにあらためて気づく。演劇への興味を失ったわけではないけど、東京だけで自閉していくことの先には、あまり未来はないだろうと思われる。すでにパラダイムは移行しつつある。
各地で、様々な人たちがフロンティアを切り拓くような試みをしていて、その中で、自分の果たしうる役割はきっとあるのだと思う。例えば小倉にいるあいだ考えていたのは、郷里であるところの高知のことだった。郷愁とは別の興味が今高知に対してある。故郷に錦を飾る、みたいなことはたぶんわたしにはできないだろう(いわゆるアーティストではないのだから)。しかし役に立つことならできるのではないか、というか、役に立ちたい、と考え始めている。ただしそのためにはいろいろ時間がかかるだろう。
まだひとつどうしても東京でやらなければならない仕事があって、それを、秋までには完成させたい。その先にどうなるかはまたその時考えよう。といってもわたしはわたしなりに東京に愛着を感じてはいるのだ。完全撤退はありえないだろう。とにかくフットワークを軽くしていくための算段を考える。
今回の滞在でかなり北九州が好きになった。また行きたいと思う(誰かと共同で部屋を借りたいくらい)。友達もできた。忌憚なく話せるというのは素晴らしいことだ。しかしこれは「東京がダメで、彼の地が素晴らしい」みたいな単純な話ではない。そのあたりのことについては、手塚夏子さんともいろいろお話しできて良かった。例えば手塚さんが「メディア」や「脈」といった言葉で手探りで模索しているようなことを、わたしもやってみたい、というか、すでに別のやり方で探りつつあるのだと思う。その精度を高めていきたい。
帰り際、いろんな人たちと、「また東京で会いましょう」「また九州で会いましょう」と言って口々に別れた。フェスティバルの良いところは、各地から人が集まり、また雲散霧消ちりぢりバラバラになっていくことだ。また何かの機会に会って話す時のために、日々を積み重ねておきたい。いや、「ために」とかも特にないな。ただひたすら自分の律動でやっていった先にまた誰かにきっと会う。