BricolaQ Blog (diary)

BricolaQ(http://bricolaq.com/)の日記 by 藤原ちから

デュッセルドルフ滞在記2-8

 

8日目、木曜日。寝違えた。首が痛い。しかしようやくこれにて、時差を気にする生活ともサヨナラできそう。

 

今日は今いるあたりの近所を攻めてみる。再開発された遊歩道を歩いていると、「シューディグン!」と子どもに声をかけられる。ボールを拾ってくれという。で、ふと横を見ると、ある記念碑が。独英両言語で書いてある。ナチス時代のできごとについて。子どもたちは無邪気に遊んでいる。そしてまた遠くにボールを飛ばしてしまい、途方に暮れている。微笑ましい。

 

Sバーン、バス、トラムを乗り継いで、デュッセルドルフの周縁(の一角)を巡ってみる。市街地を少し離れるだけで景色が変わる。でもただ移動するだけではあまり意味がない。どうやったら物語が降りてくるのだろう。そういうタイミングや場所があるはず。

 

疲れ果ててTENTENカフェに。リモナーデ(レモネード)を呑む。隣の席ではタンデムのカップルが(タンデムというのは、お互いの言語について2人で教え合う行為)。このカフェはタンデムのスポットになっている。うまくいってる場合と、うまくいってない場合というのが、傍目にもわかる。隣のカップルは、そのどうしようもないディスコミュニケーションを楽しんでいるように見えた。

 

「私は社長です。私は会社員です。それはわかります。でも、私は営業です、って変な日本語じゃないですか?」

「……うん、鋭いね。えっと……」

 

夜はタンツハウス(tanzhaus)のシーズンオープニング。パフォーマーがみな全裸だった。ついでに言うと、2人ほどの観客も全裸だった(tanzhaus的にもこの演目についてはOKということにしたらしい。ただしそのまま電車には乗らないでください、と)。日本だと全裸はアウトなので……という話をFFTのクリストフにしたら、「それはどうしてだい?」と訊かれる。久しぶりに会ったクリストフの背の高さに驚く。でけえなあ。2メートルくらいあるんじゃないかなあ。観劇後はヴォリンガー広場から歩いて帰ったのだが、薄暗い道で、治安面ではそれなりに不安。大男とすれ違うたびに身構えてしまう。襲われたらひとたまりもないけど、最初の一撃さえしのげればなんとか逃げられるかな、とか考えながら。夜のデュッセルは別の顔になる。とはいえ酒場の明かりはまだ灯っていて、男たちが黙々と、ビールをその孤独な身体に注ぎ込んでいる。

 

 

 

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場所に歴史あり。 #engekiquest